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結局、そらのイタズラだったのが後から判明したんだ。
如月:あれからですよ。なんか色々やろうとするの。絶対気にしてますよ。
小笠原:一柳さんがキスされた時、泣きそうな顔してた。
明智:あの後、明るく振る舞ってたけど、本当はショックだったんだろうなぁ。
藤守:チビの事やから、みんなが心配する思うて平気な振りしたんやろうねー。健気なやっちゃなー。
みんなに言われるまでも無く、彼女の変化には気付いていた。
彼女は今のままでも充分過ぎる位に魅力がある。
だけど否定され無視されて育った彼女は、自分の魅力を認めて自信を持つ事がなかなか出来ない。
だから不安になってもっと、もっと と必死になる。
向上心は悪い事じゃない。ただ無理をしないか心配なのと、不安になるのが問題だ。
不安なんて出来れば取り除いてやりたい。
(昴:オレが惚れてんのはアイツだけなんだけどな。心変わりなんてするはずがねーし。アイツにオレの気持ちが見えるなら、幾らでも見せてやんのになぁ…)
そんな事を考えてると、雨が振り出した。
昴:あ…雨。(アイツ傘持ってねーのに)…室長、ちょっと出て来て良いですか?
穂積:(フッと笑って)はいはい。良いわよ。気を付けて行って来なさい。
オレは置き傘を持ち、警視庁を後にした。
藤守:なんや、すごい勢いで走ってったわ。
明智:フッ、必死だな。
小笠原:お互いにね。
如月:不安になる必要なんて ないって、チビも気付けば良いのにねー。
穂積:本当にねえ…、
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