昴が中を覗き込む。
穂積:何って…アンタ達何してるの?そんなにお尻ふって、ストリップでも始める気!?
なまえ:え?ストリップ?
小野瀬:…これは、これは、良い所に来たな。
昴:な、何やってんだっ!!
なまえ:あ、昴、お帰りー。
昴:お帰りじゃねー!何やってんだよっ!お前は!
昴が慌てて入って来て、なまえを掴まえる。当の本人は、目をパチクリさせ、
なまえ:え?何って…ダンス…だけどぉ。
明智・穂積・昴:はぁ?ダンスーぅ?
なまえ:…うん。
小笠原:チビがダンスを習いに行きたいって。それで色んなダンスの動画を見てたんだ。
なまえ:色々あるからどれが良いか分かんないから試してたの。どれがいいかなーって。どうせなら、セクシーなダンスでぇ……なんか…えーと………。
彼女がパソコンを覗き込み、真剣に探している。
藤守:……十分、セクシーやったで…。
穂積:はぁー、それで藤守は何やってんの?
藤守:は、はぁ…ぼ、僕はですね、フリフリを見ていたらですねぇ…なんと言うか、そのぉ…。…(小声でもごもごと)つい、思い出したと言うか……。
みんなの脳裏に、水に濡れた下着姿で手錠とロープで拘束された艶めかしくセクシーななまえが浮かぶ。想像以上にスタイルが良かった上にあの状態はインパクト抜群で、こうしてあの場にいた男性陣の脳裏に度々浮かんでいるようだ。なまえや昴のいない所でそんな話題がちらちらと出ている。
穂積:……………。ち、中学生かっ!こ、このバカ共ーっ!
怒鳴った穂積とて例外ではない。少しの間といつもよりもどことなく焦り気味なことが、それを物語っている。
昴はなんとなく気付き、忘れろと言っているが記憶を消す事が実際無理だろうことも同じ男として分かっているようだ。この話題が出ると彼は小さくため息をつく。
気付いていないのは当の本人だけらしい。今も室長が怒鳴った声にパソコンから目を離しこう言った。
なまえ:えーと……。室長も昴も何、怒ってるの?あ!もしかして、お腹減ったの?僕も、もうペコペコ。早く、お昼にしよう。お腹が減るとイライラするもんねぇ。…小笠原さんありがとう。また後にして、とりあえず、ご飯、ご飯。
小野瀬:あはは…なまえ君、君は相変わらず天然だね…クックック…。
穂積・昴:はぁーーぁ。
彼女の反応に思わず、ため息が出る。が、本人は全く分かっていないのだから仕方ない。
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