こんな奴の前で泣きたくない!泣きたくはないが、昴以外には、触れられる事すら嫌だ。でも抵抗出来ない。強気が折れている今のなまえには、もう限界だった。
(なまえ:もうダメだ……)
そう思うと、ポロッと涙が溢れる。
おぞましさに、耐え切れずなまえは ぎゅっと目をつぶった。
昴:てめえぇえぇ、オレの大事な女に何にやってんだぁあぁ!!
その怒り声にハッと、目を開けると、昴がいた。
ギリギリで間に合った昴は、なまえを救うべく、犯人グループを倒す。
なまえは、昴の顔を見るなり、泣き出した。
なまえ:ゥワァーーン、うぇ、うぐ、ぐしゅっ、しゅばるぅ……ひぐっ…お、ヒッ…おしょい…ヒック、よぉ……
ビービーと子供のように泣きながら喋るので口が回らず、喋り方がおかしい。
昴:ああ、ごめんな。遅くなって。
殴られた頬にそっと掌をあてる。
昴:こんなになって怖かったな。
なまえ:……スン…ん…こわがった うぇ、うぇ、わーーーん 怖かったよぉー昴ーーぅーうぇ、うっく、ぐしゅ、グス、うぅわーーん
堰を切ったように大泣きし続けている彼女を抱きしめ、あやす。
昴:よし、よし、もう大丈夫だからな?今下ろしてやるから。もうちょっと辛抱しててな。
足のロープを解いてやろうと屈むと、縛られた所が赤く傷になっていた。
昴:痛そうだな。今外すからな。
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