ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
● ○ ● ○ 午後になりオレ達は、新大久保駅に来ていた。「聴き込み情報からすると、金曜の午後この界隈で目撃されているな」 そう話し掛ける。「金曜の午後か……。なら、今日捕まえられると良いな」「ああ。そうだな」「しかし、午後も暑いな」 空を仰ぎ、彼女が言う。「今年は雨もほとんど降らねーし、変な気候だよな」「本当に梅雨はどこ行ったんだって感じだよな。夏がいつもより長いとツラいな……」 呟くように言う彼女を見ると、しんどそうだった。(午前中も方々、聞き込みに歩いてるもんな。そろそろ疲れて来てるか……。しかし、本当にキツいんだな。普段、ツラいなんて言わねえのに) 彼女は周囲を見回し、それに気づく。「あ! 昴、あれ!」 彼女が、駆け出して行く。その前方にこの暑い中、トレンチコートに素足に革靴を履いた不審者がいる。オレ達の姿を見ると慌てて逃げ出した。「止まれ!」 彼女が逃げる不審者に追い付き、服を掴んで投げ飛ばした。「あ! 脱げた」 投げた時にコートが脱げて、男は全裸に革靴という姿になった。押えながらも目のやり場に困った様子の彼女。オレは、急いで彼女から裸体を隠すようにして男を押える。「……昴、頼む」「ああ。おい、起きろ」 彼女に代わり拘束しつつ、コートを着せ連行する為に歩きはじめた。数歩行ったところで振り向くと彼女は、汗だくになって赤い顔で息を切らしていた。「なまえ。大丈夫か? 早く戻ろう」「ん……、平気」 ● ○ ● ○ 警視庁に戻るとひと先ずマル被を拘留し、水分補給をするために休憩室のところにある自販機前までふたりで来た。彼女は上着を脱ぎ、脇に抱えるとフーッと息をつく。その姿は、だいぶ疲れているように見えた。「早いとこなんか飲んだ方が良いな。なまえ、何にする?」「あーじゃあ、食塩使用のトマトジュース。もし売り切れなら、スポーツドリンク。僕、顔洗って来るよ」「ああ、行って来い」 数分後、彼女が戻ってくる。「あーさっぱりした」「ほら、トマトジュース。お前、着替え置いてあるのか? 」「着替えなら、お着替えコーナーのロッカーにあるよ」 汗をかくこの時期、男性陣は大抵その場で着替えてしまうが、彼女はそうするワケにもいかず、いちいち地下の更衣室まで行って着替えていた。それでは大変だろうと、男性陣で相談し捜査室の片隅にカーテンをつけ、ロッカーとついたてを置きお着替えコーナーを作った。セクハラ対策でついたてに使用中の札がかかっている時には、お着替えコーナーに近づいてはならない決まりだ。もし近づけば、悪魔のスペシャルなお仕置きが待っている。「じゃあ、報告はオレがするからお前はすぐ着替えろ。凄い汗だ。早くしないと風邪を引くから」「うん、ありがとう」
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。