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黙ってじっと見てるオレに彼女が[どうしたの?]と言いた気な顔で、首を傾げる。「んー?」「なぁ、男装のが落ち着くんだろ?」「……ああ、まぁ、そうだな。うん。……昴は女らしい格好のが、やっぱり好きか?」 しょんぼりと彼女の顔が曇る。「バカ、そんなんじゃねーよ。オレは上っ面だけが、好きなワケじゃねーからな。お前が、女の格好だろうが、男装だろうが構わねー。ただ、胸とかぎゅうぎゅう絞められて苦しそうで……なんか可哀想だ。綺麗で可愛い胸なのに」「昴、心配してくれたんだ……。ありがとう」「そりゃするよ。オレの大事ななまえだからな。普段の体型で、スーツじゃダメなのか?」「ダメじゃないけど……変に胸が目立つと、嫌だな。あそこ、男ばっかで目ざとそうだ……」「……あー、それはダメだな。スケベばっかだから、きっとじろじろ見るぞ。小野瀬さんとか如月なんて隙を見せたら触って来そうだ。……ダメだ! そんなの、ぜってー許せねー! お前に触って良いのはオレだけだ。……なんかねーかな。猛獣共のエロ被害に合わずに、お前も苦しくなくて……お前らしくいられる方法」 『うーんー……』と思わず考え込むと、彼女が背伸びをして頬にキスをしてくれた。いきなりで、目をパチパチさせると彼女が嬉し気に言った。「ありがとう。僕は、幸せ者だな。こんなに優しくて、かっこよくて、素敵な男に大事にされて。夢見てるみたいだ」「なまえ……」「あ、大変。そろそろご飯にしないと。時間、ヤバい! 僕、温めて運んでおくから。昴も着替えて早く来て。続きはまた後でね」 パチッと、ウィンクして行ってしまう彼女。「なまえ……だから、そのエロ可愛い顔は反則だ。これじゃ生殺しだ。……はぁ、もっとラブラブしていてーなー。ま、仕方ねーけど」 一人残されたオレは、ため息をつきながらボヤく。でも、彼女と手料理が待ってるんだと思い気合いを入れる。「……さあ、オレも気合い入れるか! チャッチャと仕度してアイツの飯食って、今日もアイツと一緒に働くぞ」 ● ○ ● ○ 部屋に行くと、食事の支度が出来ていた。「あ、はは……散らかってて恥ずかしいな。これじゃ、サマにならないよな。ごめん。今日は、我慢して? 頑張って片付けてみるから。ご飯も簡単な物で悪いけど。口に合うかな……」 タジタジしてる彼女の頭を、がしがしと撫でてニカッと笑ってやった。「お前の気持ちが、嬉しいよ。片付けは一緒にやってやるよ。ほっとくとお前、また無理しそうだからな。さあ、食べるか」『うん、ありがとう』と彼女は言い、ご飯と味噌汁をよそってくれた。 二人で『いただきます!』をして食べ始める。「ん……旨い。お前らしい優しい味がする。この味、オレは好きだよ」 彼女が嬉しそうに『ありがとう。口に合って良かった』と微笑んだ。 その笑顔と手料理に幸せを感じて胸があったかくなった。
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