2。
──始まりの朝──
彼女の家に泊まり、愛し合った翌日の朝。彼女の優しい声に目を覚ます。
「昴、昴、起きて。朝だよ」
「ん……ああ、おはよう。
なまえ。……オレ、あれから寝ちゃったんだな」
「ん。もっと寝かせてあげたいけど、遅刻しちゃうから。昴、シャワー浴びるでしょ? これ、タオルと歯ブラシと……ワイシャツ。ワイシャツはクリーニングしてある。サイズ、男物で一番デカイサイズ選んだから、着られると思うけど。後、ネクタイはここの中から好きなの使って。パンツと靴下はコンビニで買って来たやつ。朝ご飯出来てるからシャワー出たら食べよう」
「
なまえ、お前、何時に起きたの? あの後で、コンビニ行って飯用意って事は……寝てないのか? あ、うさぎみたいに目、真っ赤だ。大丈夫か? 今日、休む……ワケにはいかねえよなー。ごめん、無理させて」
「あはは……昴は、心配性だな。大丈夫だよ。朝ご飯も、簡単な物しかないし。さぁ、さぁ、早くシャワーして、実は時間足らなくて僕もまだなんだ。だからサクッと浴びちゃって」
「じゃあ、一緒に浴びるか?」
「良いけど……時間無くなるから、エッチな事は無しだよ? 純粋に汗を流してサクッとあがるんだよ? 約束出来る?」
「ああ、約束な。そうしないと、お前の朝ご飯食べる時間、無くなるもんな」
「そう、朝ご飯食べないとバリバリ働けないからね」
● ○ ● ○
シャワー後、脱衣場で身体を拭きながら疑問を聞いてみた。
「なぁ、
なまえ。聞いて良いか? 純粋に疑問なんだが」
「ん? 良いよ。何?」
「今と、いつものお前、なんかサイズ違うよな? 今は、ウエスト細せーし、胸もいつもよりあるし……」
「あー、なるほど。そうだよなー。不思議に思うよな。種明かしすると、胸は潰してるんだ。方法は幾つかあるけど……例えば、これ。ナベシャツって言って着ればある程度、胸が潰せるんだ。こうやって。でもまだちょっと目立つよな? で、これだ」
「なんだ? これ? バスタオル?」
「バスタオルを加工して作ったんだよ。これを、バストの下からウエストの所にぐるっとして、こうやって止める。そうすると、大体でこぼこが目立たなくなる。で、シャツとベストとパンツ着ちゃうともう、いつも通りだ」
「こんな技使って、変身してたのか。すげーな。……でも、気になる事がまた出来た。それだと胸と腹、苦しくねーの?」
「そうだなー……してない時と比べたら、やっぱり苦しいかな。でも、もう慣れてるから、さほど気にならないよ」
シャツの上から胸にそっと触れてみた。苦しそうに思えて心配だ。