(昴:この顔は。怒りがおさまって、反省してる顔、だな)
昴:ほーら、貸ーせ。
オレが手を取ると一瞬痛そうな顔した。
昴:あーぁ、こりゃ、ひでーな。病院行かなくちゃダメだな。ったく、お前は。もっと、大事にしろよ?分かった?
コクと頷くとシュンとした顔をする。
昴:あーもー。しょーがねーな。ほら、こっち来い。
項垂れて、小さくなってる彼女を自分の方に引っ張り、腕の中に包むように抱き背中をポンポンと叩く。
昴:大丈夫だよ。誰も嫌ってねーから。室長だって心配してるんだぞ。ん?
なまえ:……ごめん。
昴:ん。
なまえ:……ねぇ、昴。僕、やっぱり外されるのかな?でも、アイツは、僕が、捕まえたいんだ。
なまえ:7年前。あの子が襲われた時、僕、守ってやれなかった。あの子が殴られて怖い思いしてる時、僕さバイト上がって帰る途中で。何も知らなくて。あー疲れた、なんて呑気に思ってた。
なまえ:最初にあの子に会った時、悪いのに絡まれてて助けたんだ。おっとりした子でさ、それからもよく絡まれてんの見掛けて、その度追っ払ってやってたんだ。その内、いつの間にか僕に会いに、たまり場にも来るようになって。
なまえ: あの日、帰宅中におばさんから連絡があって「あの子が帰って来ない」って。うちら、みんなで探したんだ。そしたら──。
.