そんな風に昼食も終わり、彼女が谷田部を送りに行くと、如月が
如月:あれ?良いんですか?2人にして。心配じゃありません?似てるし……。
昴:……。如月、お前、面白がってるだろ?
如月:え?応援してますよー。一柳さん、今日、ホワイトデーですよ。もし、片想いの彼女と2人きりになれたら、俺なら間違いなく口説きます。
聞き終わる前にオレは走ってた。格好悪いとか、後で物笑いのタネになるだろうとか、そんな事考える前に自然に身体が動いた。
彼女と谷田部は既に玄関には、いなかった。
昴:どこ行った?
ただ、そこに彼女の姿がないだけなのに、アイツにとられてしまいそうな気がして来る。
昴:余裕なさ過ぎだ……。
1人漏らすと、胸の中に焦燥感がじわじわと広がって行く。オレは彼女を探し、また走り出す。
警視庁を出て、すぐ近くの公園に彼女達を見付ける。
谷田部:あのさ…真山、お前、今日空いてない?
なまえ:ん?今日?またずいぶん急だなー。
谷田部:ちょっと話があるんだ。
なまえ:話? そっか…えーと──。
昴:なまえー、
彼女が振り向き、
なまえ:あ、昴。どうしたの?
昴:(数歩、走り寄りながら)室長が呼んでる。急ぎだそうだ。……今夜は忙しくなりそうだぞ。
なまえ:あ、そうなの?…了解です。
なまえ:和くん、悪い。今日は無理そう…
谷田部:分かった。残念だけど仕方ないな。じゃ、別な日に。
なまえ:うん、ごめん。
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