耳で計る電子体温計で熱を見る。
昴:うわっ、39度8分?40度近いじゃねーか!(焦り捲る)こ、こりゃヤベーな。もっと冷やさねーと…、
とりあえず脇の下も冷やす。ひどく苦しげな彼女。
昴: あっ、そうだ、阿久津先生に電話してみるか。
先生に電話すると地方から帰って来た所だったが、状態を話すとすぐに往診に来てくれた。
どうやら風邪や、インフルエンザの症状は無く、精神的なものの影響が強いらしい。
あまりに苦しそうなので、熱冷ましの座薬をもらい入れる。又嫌がるかと思ったが今はその余裕すらないようでぐったりと大人しかった。
しばらくすると38度まで熱は下がり、少し楽になったのか寝息を立て始めた。
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オレは心配する先生に差し障りのない範囲で経緯を話した。
阿久津:……そう、今日そんな事があったの。怖かっただろうな、なまえくん。プレッシャーもあっただろうし、肉体的苦痛も凄かったのかな…。それで疲れたんだろうね。かなり弱ってるみたい。やっぱりそのダメージから熱が出たのかも知れないわ。
阿久津:多分…、その電気ショックで記憶が甦ったんじゃないかしら。実際、そういう症例があるもの。電流を用いる治療は医療現場では結構あるのよ。
阿久津:あ!……もしかしたら、足も動くかも知れないわよ?専門外だからはっきりとは言えないけれど。麻痺に電流治療をして動くようになったって話を聞いた事があるわ。
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