と、絶叫が止み跳ねていたなまえの身体も動きを止め静かになる。
なまえは頭を垂れぐったりとしたままだ。
明智に逮捕したNo.0 を任せ、穂積も屋根に登りなまえを下ろすのを手伝う。
吊るされた後、どうやら鍼を刺され電流を流されていたらしい。
小笠原:チビはどうなの!?
珍しく小笠原が声を荒げ聞いて来る。穂積が状況を説明してやると
小笠原:拷問って言ったよね?
穂積:ああ。
小笠原:恐らく、その鍼は神経叢(しんけいそう)に打たれてたんだよ。
穂積:ああ?神経叢?
小笠原:神経が集まる所だよ。
穂積:…何ヵ所か刺さってんぞ?
小笠原:身体の中には幾つかそういう場所があるんだ。鍼を使った拷問でそういうのがある。
穂積:…かなり痛てえのか?
小笠原:弱い電流で治療に用いたりもするけど、弱い電流でさえ、かなり痛いらしい。最大となると…本当に地獄の苦しみだよ。
昴:!!なまえ……。
小笠原:冗談じゃなくショック死だってあり得るんだ。意識は無いの?脈は?
穂積:まだ降ろせねえんだ。慎重にやらないと下に落っこっちまう。…昴、そっち良いか?落とすなよ?せーのっ!
漸く屋上まで降ろす。青い顔で意識は無いが脈も、呼吸もある。声を掛けるが気絶したままだ。
昴は口端の血を拭う。痛みで噛みしめた時に切ったらしい。無理に起こさず病院に運ぶ事にした。
検査をしている内に、目覚めたなまえは「もう病院はいい」と早速帰りたがった。とりあえず今の所異常は無いようなので連れ帰る事にした。
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