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「あら、如月。よく知ってるじゃない。でもあの人は、それだけじゃないわよ。博識だし、判断力や人を見る目も優れてる」「室長がそこまで、褒めるって珍しいですねー」「何よ? 私は、認める所は認めてるわよ。……にしても、遅くない? もう来ても良い時間なのに。何かあったかしら」 その時、廊下から騒がしい声が聞こえて来た。「痛い! 痛たた……。ちょ、ちょっと放して下さいよ。痛いって!」 「うるさい。わめくな! 警視庁で覗きとはイイ度胸じゃねーか」「覗きって、誤解です! 誤解!」「今の声、チビですよ!」 如月が言い皆で顔を見合せる。「なんだ? どうかしたのか?」 明智が、いち早く急いで廊下に出た。それに続き、俺も他のメンバーと廊下に出る。廊下には一柳に片腕をねじあげれ、わめくチビ助がいた。「あれ? 一柳さんじゃないですかー」「おい、なんや? 何をしたんや?」「何もしてないって! 誤解です! もう! 放して下さい!」 皆の対応を見て、一柳が困惑したような顔をしている。 そこへ、小野瀬が飄々と現れた。「おや? みんな揃って何してるの?」「チッ、小野瀬まで来やがった」 今来たコイツは、小野瀬葵。俺の同期で鑑識課に、科学警察研究所から出向中の分析技官。神奈川出身。剣道三段で学生時代は元ヤンキーで、総長をやってたらしい。【桜田門の光源氏】と言われる男。「穂積、舌打ちなんて失礼だぞ」「うるせえ。何しに来やがった」「うん? 今日異動があるって聞いたから、挨拶がてら珈琲を貰いに来たんだよ」「小野瀬、うちは喫茶店じゃねえぞ! おい、一柳。ソイツは逃げねえから放して大丈夫だ。とにかく中、入れ」 皆がぞろぞろと捜査室に移動する。入るなり、小野瀬が興味津々という感じで口を開く。「そっちの彼が、今日異動して来た人? おチビちゃん、彼と何揉めてたの?」「小野瀬! 勝手に仕切るんじゃねえ!」「はい、はい。で?」(チッ、コイツは! 俺の注意を、軽く受け流しやがって!) 小野瀬はこともなげに俺をシカトして、一柳に話の続きを促した。「挨拶が遅れ失礼しました。一柳昴です。今日からお世話になります」「あーソイツ、うちのメンバーじゃないから、鑑識の小野瀬よ」「鑑識の小野瀬葵です。よろしく」 小野瀬に答えようとする一柳を遮り、話を続ける。「小野瀬はどうでもいいけど、この子は真山なまえ。うちのメンバーよ。で? 何があったの? アホチビが何かした?」 言いながら、チビ助の鼻をギュッとつまんだ。
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