一方、警視庁。
昴は銃を携行し、急いで戻ろうとしていた。その後ろから
穂積:昴!
その声に振り向くと、穂積と小野瀬が走って来る所だった。
小野瀬:君のマンション近くで異臭通報があって、たった今、避難勧告が出された。
昴:え?
穂積:とにかく詳しい事は分かってない。急ぐぞ。嫌な予感がする。俺は、明智に連絡を取る。お前も急行しろ。
昴:了解しました!
駐車場に走り、車に乗り込みながらそらに電話する。
昴:(なまえ、無事でいろよ)そらか。オレだ──
昴はサイレンを鳴らしながらアクセルを踏み込み自宅へと急いだ。
*****
明智:はい、はい、了解しました。
そら:うん、分かった。
明智は電話を切ると藤守に事態を説明し、そらは寝室のなまえの元へ向かった。
そら:なまえちゃん、なまえちゃん…
ノックをしながら呼び掛けるが返事がない。仕方なく「入るよ?」と声を掛け薄暗い寝室に入るとスー、スーと穏やかな寝息が聞こえて来る。
近付いて揺り起こそうと手を伸ばすが、布団からなまえの白い肩が見え驚いたように手が止まる。
そら:え?もしかして、は、裸?(赤くなり目を反らす)…ど、どうしよう…あ、な、何か着る物…。
見回すと昨日の振袖が掛けてあるが、他は見当たらない。
そら:こ、困ったな。どうしよう。
一旦ドアまで戻り寝室の外まで出て中が見えない位置まで行くと、そこからデカイ声でなまえを数度呼んだ。
なまえ:は、はい!
びっくりしてなまえが飛び起きる。
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