写真屋:じゃあ、まず集合写真から撮りますから並んで下さい。お嬢さんは車椅子で撮りますか?椅子に座れるようなら、椅子の方が…。
昴:あ、椅子に座ります。なまえ、掴まって。
なまえ:うん、ありがとう。
彼女を抱き上げ椅子に座らせ着物を直し汗を拭き、ついでにメイクと髪も直す。
昴:よし、綺麗だ。
なまえ:ありがとう
そういうと花がほころぶようにふわりと笑う。
先程からカシャ、カシャッとシャッター音がしていて振り向くと黒澤がいた。
黒澤:いや、可愛かったのでつい。じゃ並びます。
昴:確かに…。
なまえ:ん?何か言った?
昴:いや。
なまえ:あ、昴?メガネ、光っちゃうかも…。
昴:じゃ外すか?
オレが外す前に彼女の手が伸びスッと外すと、たたんで「はい」と差し出した。受け取りながら礼を言い車椅子の所に置きに行って戻って来ると
なまえ:あ、ちょっとそのまま。
彼女がオレのネクタイと髪を整える。
なまえ:うん、格好良い。
昴:ありがとう。
彼女に微笑むと、後ろの列から「キャー」「見た?」「ラブラブ!」「めっちゃいいわー!」「さすが真山さん」「あんなの憧れるー」「ねー」と女性陣が口々に騒ぎ出す。
囃し立てられて、みるみる内に彼女が真っ赤っかになる。
写真屋:あ、お嬢さん、真っ赤っかになっちゃいましたね…あははは…もうしばらく待ちましょうか。
すかさず黒澤が来た。
黒澤:なまえちゃん、こっちに目線下さい。こっち、こっち!はい可愛いですよ。(カシャ、カシャッ)ありがとうございました
なまえ:は、はぁ…
彼女が呆気に取られている。その姿にまた笑いが起こった。
写真屋:あ、良いですね。皆さんそのままこっち向いて下さーい。はい、撮りますよ。(パシャッ)
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