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● ○ ● ○ 翌日、捜査室に室長のカミナリが落ちる。 「真山ー! 一人で先走るんじゃねえって何度言えば、分かるんだ! このアホチビがっ!」 怒鳴った後で、室長は目は怒ったまま口元だけニヤリと不気味に笑い、なまえに近付く。「お前は口で言って分からねえようだから、お仕置きしてやるよ」 悪魔の微笑みに身の危険を感じたのか、逃げようとするなまえ。が、逃がす室長ではない。「い、痛いー! 痛いー!」 室長に両こめかみを、げんこつでグリグリされてなまえが、涙目になりながらもがく。それを見て如月が、思わず溢す。「痛そう……」「あん? 当たり前だ。このアホな頭でも忘れねえように、痛くしてんだよ。何ならもっと強烈にしてやろうか?」 そう言うとガシッとなまえの頭を握り、アイアンクローを掛けた。「ぎぃーっ! い゛っでぇー! ギャー! ヒィー! 頭が割れるぅー! い゛でで……ご、ごめんなさいー。い、い、たーいー。た、すけてぇー!!」「ボス、手加減してやって下さい。一応、チビは女の子ですから」「パワーハラスメント」「穂積、その位にしてやれよ」 明智さんと書類を持ちやって来た小野瀬さんが止めようと室長に言う。だが、お仕置きは終わらない。でかい手でなまえの頭がよりギリギリと締め上げられる。かなり痛そうだ。気が気じゃねー。今にもなまえの頭が、室長に握り潰されそうに見える。(見てられねー!) そう思うのはオレだけじゃないようで、皆が見兼ねて止めてくれるように言う。組んでたオレ達が、言える立場じゃないのは分かりつつ我慢出来ずに藤守と口を開く。「あ、あの室長、もう勘弁してやって下さい」「オレからもお願いします。その辺で許してやって下さい」「ああ? 藤守、一柳、大体、お前ら男がニ人もついてやがって、女一人止められないとは何事だっ! おまけに怪我までさせやがって!」 室長がなまえを離し、オレにデコピンをしようとした。 なまえが慌ててオレ達を庇うように間に立ち、室長の手を掴んで止めた。「ああ? なんだ? 真山」「怪我と言ってもかすり傷程度ですし、先輩達の制止を聞かなかった僕が悪いので、一柳さんも藤守さんも悪くありません。罰なら僕にして下さい!」 これには、藤守もオレも驚いた。「駄目だ。連帯責任だ。放せ」「放しません! ……確かに僕は突っ走りました。ですが、ああしなければ間に合いませんでした。僕は目の前で、助けられないなんて嫌ですっ!」「真山ー! てめえ。自分のやった事が正しいとでも言いたいのか!」「正しいとは言わないけど……でも!」「『でも』じゃねえ! てめえはまだ分かってねえようだな」「じゃあ、室長が僕の立場ならどうしたんですかっ? 自分が危ないから諦めるんですか? 僕にはそうは思えない。室長だって助けるでしょ?」 納得が行かず食い下がるなまえを明智さんが止める。「真山、落ち着け」「そりゃーこうして心配や、迷惑を掛けて悪いと思ってますけど──」 止まらないなまえの言葉に室長が、被せるように言う。
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