そら:寝ちゃったね。
昴:午前中、リハビリして買い物行ってあの事件があって病院だからな。疲れたんだろ。
そら:首、アザ出来てるじゃん。結構ヤバかったんだ。
昴:ああ。
そら:普通、女性のマルタイだとこういう時は怖がって泣いたりヒス起こしたりするよね?
昴:まあ、そうだな。そういうやつが多いな。
そら:でもなまえちゃん、あんまり普通だからちょっと驚いた。 …やっぱ警察官だと違うのかな。
昴:…そりゃー殺され掛けたんだからなまえだって怖かったに決まってんだろ?
そら:気丈に振る舞ってるって事?
昴:ああ。内心ビビってよーが、きっと『大丈夫』って笑うよ。コイツは。
そら:強い子だね。
昴:つーより、心配掛けねーように強くなろうと頑張ってんだ。……やせ我慢してんだよ。
眠る彼女の頬をそっと撫で
昴:さて、今の内に飯の支度してくる。
キッチンへと向かった。
そらはそれを見送り、なまえの寝顔に目を移す。
なまえはあどけない顔でスヤスヤと眠っている。
そら:……こんな子どもみたいな顔してんのに…がんばり屋さんなんだね。君って。
思わず、その柔らかそうな頬に手が伸びて触れそうになる。
が、手前で手を止め 引っ込めると自嘲気味に笑いフゥーとため息をつく。
そら:…人の彼女に何やってんだ。オレ。
そら:……ない、ない。ありえない。あんまり…無防備だったから、それでだ。うん。
と頭を振りながら後ろ頭を掻いた。
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