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その優しい声に俯いた顔を上げると、そこには声と同じ優しい眼差しがあり、僕の為に広げられた腕があった。それを見た時、今度は嬉しくて泣きそうになり、考えるより先にその腕の中へスッと引き込まれた。彼の腕の中はあたたかくて、守られてる感じがする。 僕は彼の肩に顔を伏せて彼だけ聞こえるような囁き声で話し掛けた。「ごめんね。もう少しこのままで良い?」 一柳さんが背中を優しくポンポンと叩きながら『ああ』と返してくれる。(癒される。不思議だな。一柳さんといると、とってもホッとして安心する。あったかい) 強張った心が解れて穏やかになって行く。(僕、この人ともっと仲良くなりたい……)「一柳さん、ありがと。……あのぉ」「なんだ、言ってみろ」「……もしイヤじゃなかったら、一柳さんじゃなくて昴って呼んでも良い? 僕、昴って呼びたいな」「ああ、良いよ。なまえの好きに呼べ」(あ! 僕の名前……呼び捨てだ。なんだか、昴と仲良くなれたみたいで嬉しい!) 僕は嬉しくて思わずぎゅっと抱きつき言った。「ありがと、昴。僕、昴と相棒になれて良かった」 顔を上げると、優しく笑う昴と目が合う。それがなんだか嬉しくて、それでいて恥ずかしくて、僕は自然と照れ笑いになった。 トン、と昴から降りて聞いてみる。「ねぇ昴、僕可愛い?」「ああ、可愛いよ。合格だ。また一緒に頑張ろうな」 そう言って頭を撫でてくれる手は、優しくて心地好い。「あー! 【一柳さん】から【昴】に変わってるー!」「なんや……もしかして二人は、そういう関係なん?」「ち、違います。相棒です。ねっ? 昴」「ああ、なまえは大事な相棒だよ。な?」 彼からそう答えがかえり、僕達は笑い合った。「二人の親密度、九十パーセント」「……全員から認められたから、真山の案を採用して、変装しての潜入捜査を許可する」「わぁーい! やったー! 室長、ありがとうございます。皆さんもありがとうございました。明日からも頑張りますっ!」「という事で、審査会、終わるわよ」「不機嫌……ヤキモチの可能性九十九パーセント」「何、下らない事言ってんの。さあさ、アンタ達帰るわよー」 室長のその言葉で、審査会はおひらきになった。
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