東京○○○医療センター。
なまえは緊急手術中だ。
廊下の椅子に昴と隆一が座っている。
昴は心の中でひたすらなまえに呼び掛けていた。
(昴:なまえ、死ぬんじゃねーぞ!オレを置いて逝くんじゃねー。約束したろ?なまえ…)
無意識に昴の手が震えている。
隆一:昴、すまない。私がついていながら……。
昴:……父さんのせいじゃありませんよ。そういう奴なんです。大丈夫。アイツ、オレとの約束破った事がないですから。死なねーって約束したらぜってー死にませんよ。
隆一が黙って昴の手の上に手を重ねる。
(隆一:菫、なまえさんを守ってやってくれ。昴の大事な子なんだ…。)
数人の足音が聞こえ穂積、桂木、そら、石神、後藤が来る。
後藤:一柳、なまえは?
昴が黙って手術室へ続く自動ドアを見る。
穂積:……大丈夫だ。あの跳ねっ返りはこんな事じゃ、死なねえよ。
そら:そ、そうだよ なまえちゃんがキャリア置いてくわけない。あの子根性あるし!
桂木:昴、大丈夫か?
昴が頷く。
石神:一柳警視総監、逮捕した連中を取り調べた結果、警視総監が狙われている事が分かり、しばらく警護をつけさせていただく事になりました。それから事情をお聞かせ願いたいのですが。一柳、こんな時にすまないがお前にも話しを聞きたい。
昴:オレはなまえの様子が分かるまでここを離れねー。
後藤:構わない。そこの隅で話しを聞かせてくれ。
昴:………ああ。
桂木:それから…大変申し訳ないのですが、病院は危険です。移動していただけないでしょうか?
隆一:しかし……。
昴:…父さん、動きがあったら連絡します。移動して下さい。父さんは、アイツが身体を張って助けたんです。目が覚めた時、父さんに何かあったらアイツ悲しみますよ。
隆一:……分かった。
昴:桂木さん、石神、よろしく頼む。
石神:ああ、分かっている。
桂木:昴、俺達もなまえさんは大丈夫だと信じている。…しっかりな。
昴:はい。
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