昴:え?じゃあ、父さんが会ったのはなまえが子供の頃って事ですか?
隆一:ああ、当時仕事であの付近にしばらく行っていてな。いつも公園に1人でいる子がいて、その姿を見たら昴、お前を思い出して…、気になって話し掛けたんだ。
隆一:話してみるとまだ小さいのにしっかりして、賢い優しい子だった。
隆一:仕事で行く度、ほんの短い時間だけど話しをするようになってな。
隆一:笑うと可愛い女の子なのに、その子は自分の事を『僕』って言ったんだ。何だか昴と話しているような気分だった。
なまえ:うん、おじちゃん家には僕よりも少しお兄ちゃんの男の子が1人いるって話してくれたよね。仕事が忙しくてあんまり遊んであげられなくて何だか寂しそうだって…。
隆一:(フッと微笑み)…そしたら、なまえさんが『おじちゃんはお兄ちゃんの事、大好きでしょ?話してれば分かるよ。だから大丈夫だよ。お兄ちゃんもおじちゃんがきっと大好きだよ』って言って笑ってくれたんだ。それが何だか嬉しくてな。
なまえ:…あの時、おじちゃんが話すお兄ちゃんの話しを聞くのが楽しくて…。それがまさか、昴の事だったなんてね。ふふ…。
昴:オレのどんな話しをしたんです?
隆一:…それはだな──。
なまえ:ふふ、おじちゃんと僕のナイショだよー。
隆一:そうだ。ナイショだ。
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