昴の家
昴がさっきからうろうろと落ち着き無く行ったり来たりしている。
明智:おい、少し落ち着け。
昴:明智さん、なまえの火傷は酷かったですか?
明智:いや、すぐに冷したからな、大丈夫だとおもうが。
如月:あーもう!落ち着いて下さいよ!一柳さん。
明智:一柳、チビはきっと腹を空かして帰って来る。支度は出来てるのか?まだなら手伝うぞ。
藤守:散々好き勝手言われたからな、好きなもんでも食わしてやってな?
小笠原:でも、負けてなかったね、彼女。
如月:うん、本人から言われなけりゃ信じない。別れる別れないは二人が決める事で関係ない貴女が決める事ではないみたいなこと、ピシャリと言い切ってさー。凜としてカッコ良かったなー。
藤守:あとあれも良かったで? ええとあれや、昴を添え物…
昴:はぁ?添え物?
明智:ああ…あれだろ『貴女昴に愛情の欠片もないようだ。僕は昴を家の添え物位に考えてる貴女のような人には絶対に渡しません』
藤守:そう、それや。
あの高慢ちきなお嬢に金、金、って寂しい人間や。お金なんか自分で稼ぐから要らないと言うてな。
小笠原:その後にきっぱり言い放った。
昴:アイツ、そんな事を?
昴:……………。
藤守:なんや。急に大人しーなって。
昴:あ、ああ、いい…笑われる、からな。
如月:えー何ですか?教えて下さいよー。笑いませんって。みずくさいですよ。
昴:……すげー嬉しいつーか… 今までステータス目的ですりよる女はうんざりする程いたからな。アイツはやっぱりいい女だなって思ったんだよ。
如月:そっかーモテ男もそれなり大変なんだ…チビは分かってくれて良かったですね。一柳さん。
…と、玄関の鍵が開く。
なまえ:ただいまー。室長、どうぞ。
穂積:ああ。
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