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(おい、おい、本当にこいつは……。そんなに無防備な顔で、男を見つめんな。勘違いするぞ。危ねえだろうが) そうは思うがいつものように、軽い調子で口には出来なかった。「おい、チビ助。どうした?」「え? ああ、別に。じゃあこっちに座って下さい」 俺の手を引いて奥の椅子に行き『ここに座わって』と言うので大人しく腰掛けると、何故かチビ助が俺の後ろに立つ。「ん?」「お疲れのようなので準備が整う間、肩揉みしますよ」「あ? 気を使わなくても大丈夫だぞ?」「気なんて使ってませんよ。じゃあ、アピールタイムって事にして下さい。僕、肩揉み得意なんですよ。ねっ」 後ろから覗き込んで微笑むチビ助。ふいに直ぐ傍で見たその笑顔が、あんまりにも可愛く見え思わず不覚にも赤くなる。(ヤバい! チビ助ー。不意打ちで来るんじゃない! 本当に危ねえヤツだ。そんな無防備にしてっと食っちまうぞ。全く……たまらねえな) ガキのように、どぎまぎとしそうになるのを抑え込む。「ああ、じゃあ頼む」 赤い顔が見えないように、俯き答えるとチビ助が俺の肩を揉み始めた。 ● ○ ● ○ 二人の様子を離れた場所から見ていると、小野瀬さんがやって来て声を掛けられた。「へぇー穂積のヤツが、あんな顔するとはねぇ。これは、うかうかしてられないな。ねぇ? 一柳くん?」 ニヤリとしながらまるで見透かすように言う彼に、即答で否定する。「は? オレはぁ別に……」(そうは言いつつ、目が放せねーんだよな。んなの、言われなくても分かってんだよ。何なんだよ! 何でこんなに気になるんだ! らしくねーだろ。……ったく、どうかしてるぜ!) 戸惑いや苛立ちを感じていると、からかうような声がまた聞こえて来る。「おや? 良いの? 彼女も案外、愛され体質だよ。狙ってる奴は多そうだ」(……この野郎!) 正直ムカついたが、抑えスルーした。「素直じゃないねぇ、君も。ま、後悔しないようにね。そうは言っても俺も、簡単に譲る気はないけどねぇ」 ニヤリと笑いながら言う彼に、ますます苛々して来る。(……っとに、面白くねー!) 胸の内で叫びながら、オレは尚も二人の様子を見続けた。
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