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「よろしい。さあ、運ぼうか──あ、その前にツルさんとカメさんに挨拶を。そうだ。さっきお土産買ったんだよね。えーとどこやったっけ、あ、あったあった」 お土産を持ち、オレんとこに来る。「ん? 何でそんなにあるんだ?」「これは、ご近所さんに。すぅくん、一緒にご挨拶まわりに付き合って。先ずはお向かい家ね」 さっさと向かいの呼び鈴を鳴らし挨拶し始めた。「ごめんください。あ、わたくし向かいの一柳の家内でございます。暫く滞在致しますのでご挨拶に伺いました」 そう始まって、礼儀正しくにこやかに挨拶をしながら受け答えしている。出る頃にはちょっと打ち解けて見送られながら失礼する鮮やかさ。だが、近所をまわり終えて戻って来ると、ちょっと疲れた顔してた。「疲れたんだろう? チビ助。お前人見知りだからな」「え? そうなんですか?」 真壁が驚き、瑞貴が続く。「なまえちゃん、若奥様然としてましたよ?」 オレや彼女が何か言う前に、海司が答える。「あれは、こいつの技、必殺ねこかぶり! こいつのはすごいぞ。百枚位ねこかぶって、人をまんまとだまくらかす──」『兄ちゃん、うっせーぞ!』と言いながら海司の頭を叩いた。「痛てー。ほらな、化けの皮が剥がれると元に戻んだよ」「ひとを化けもんみたいに言うな。世渡り上手と言え。兄ちゃんと違って大人なのー」「あっかんべーする大人がどこに居んだよ」「ここにぃーいるんだよぉおだぁ。いいから、荷物運べよぉ。あ、あほ兄ちゃんと遊んでる場合じゃない。ツルさんとカメさんにもご挨拶をしなくては」「あほってひでーな。お前は」「事実だろー。あ、お見えになった。とにかく行って来る」 声を聞き付け出て来たツルとカメの所へ行き挨拶をする彼女。「はじめまして。なまえです。突然、大人数で申し訳ないです。一週間ほど御厄介になりますけど、よろしくお願いします。あの、これ、大したものじゃないんですけど。お茶の時にでもお二人で召し上がって下さい」「まあまあ、若奥様。わざわざありがとうございます」 若奥様の言葉に照れて真っ赤になり、言葉が出て来なくなり困ってオレを振り向いた。「ツル、カメ、元気そうだな」「昴坊ちゃん、お待ちしてましたよ!」「まぁまぁ、イケメンになって! やっぱりお会いできると嬉しいわねえ、ツル」「そうね。お会いするのはどれくらいぶりかしら!」「会うのはオレが留学する前か……二人とも変わってないな」「まあ! お上手なんだから!」「ツル、カメ、この人が、オレの嫁さん。なまえ、こっちが万屋ツルで、万屋カメだ。双子だから見分けがつかねーか?」「万屋ツルと申します」「万屋カメと申します。若奥様、よろしくお願いいたします」 また赤くなる。「あー、二人とも。彼女、照れ屋で恥ずかしがりだから名前で呼んでやってくれ」「昴坊ちゃんご結婚おめでとうございます。まぁまぁ、可愛らしい方をおもらいになって……」「うん、オレの奥さん、可愛いだろう? それだけじゃねーぞ。優しいし、気も利くぞ。もう最高にいい女なんだ」「まぁ昴坊ちゃん、ご執心ですねぇ」 ツルとカメが声を上げると、彼女はますます真っ赤になった。
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