刑事A:…あ、ああ、お前が勝ったら土下座でも何でもしてやろう。ただし(ニヤリ)俺が勝ったら俺の言う事を聞いて貰おうか。
小笠原:アンタ!そんな事言い出すなんて卑劣だ!
明智:真山止めておけ。気持ちは分かるが今、お前は本調子じゃないんだ。もし、負けたら何をさせられるか…。
刑事A:本調子でない?…フン、負けた時の言い訳か。オカマの下だとみんな腰抜けになるらしい(嘲笑)
なまえ:アンタ……みんなの事をアンタの、その下衆で腐った口でそれ以上語らないでくれないか? 俺の大事な先輩達まで穢されるみたいな気がする。いい迷惑だ。汚く穢れてんのは、アンタだけで十分だろ?
刑事A:き、きさま!先輩に向かってなんて口聞きやがる!
─こうして試合が始まる。
が、試合開始早々に刑事Aの身体は投げ飛ばされ呆気なく決着が着いた。
「…おい、穂積さん所の、アイツなかなかやるじゃないか」「にしても、あんなに簡単に投げ飛ばされるなんてな…」見物人達がヒソヒソと言う中
納得のいかない刑事Aは難癖をつけ
結局、もう一試合取り組んだが、またもアッサリ勝負がつく。
なまえ:お望みならもっとお付き合いしますが?けど、何度やっても俺はアンタごときに負けたりしないよ?絶対にな。フン、俺はな。アンタみたいな下衆な腑抜けに負けるような*ハンチクな生き方はして来てねーんだよ!なめんな!
なまえ:…ところで、そろそろご自分の体裁でも気に掛けては如何です?
なまえ:足掻けば足掻く程、ご自身で傷付けていらしゃるようですよ。
なまえ:僕にとっては体裁なんてどうでも良いが、アナタはそれが何より大事でしょう?
なまえ:…(低く冷たく)そうそう、逃げ出す前に僕の大事な先輩達への侮辱の訂正と土下座での謝罪はきっちりして頂きますよ。
と威圧感を漂わせ見下ろしながら冷たい瞳のまま口角を上げ冷淡に笑った。
刑事Aは蛇に睨まれた蛙の如く冷や汗をかきながらなんとか土下座をし謝罪すると転げるように逃げ出す。
見物人達も見世物が終わりガヤガヤと去って行った。
なまえはタオルを持つと一人道場の表に続く出入口から外へ出る。
すでに夕方近くになり、幾分風が出て暑さは和らぎ始めていた。
道場近くの木陰に座り樹に凭れ掛かりながら汗を拭くなまえ。
昴:ほら。
スポーツドリンクを渡しながら傍らに腰を下ろす。顔を上げ受け取りながら
なまえ:ああ、ありがとう
と微かに笑う。その顔には疲れが見え、連日の無理を物語っていた。
なまえはスポーツドリンクをゴクゴクと飲むと「はあー」と息をついた。
昴:全く又無茶しやがって…あんなデカイ野郎、ニ度も投げてんじゃねーよ。ほら、少し休め。お前、すげー疲れた顔してるよ。
なまえの頭を引き寄せると膝に寝かした。
なまえ:…ん、ありがと…この後、訓練、何だっけ?(休んでて)平気かな…。
昴:ああ?もう今日は柔道で終わりだったはずだ。少し寝てろ。…本当にハラハラさせやがって。
なまえ:…悪いな…でも止めなかったな…。
昴:ああー?止めても聞かなかったろ?そういう面だった。見りゃ分かんだよ。様子見てヤバそうなら無理やり割って入ろうと思ってた。……あーぁ、あれで又お前に言い寄って来る野郎が増えるな。
なまえ:フッ…、考え過ぎ…。
昴:いや、考え過ぎじゃねーよ。まあ、俺よりイイ男はそうそういないだろーがな。
なまえ:ふふ…。そうだな…。昴より…イイ男なんて…いない……よ……スー…スー…。
昴:ん?……寝たか。やっぱり疲れたまってんだな。……おやすみ、なまえ。
*ハンチク:半端なこと
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