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「なあ、そういえばあの忍者みたいのすごかったなー」「忍者? ああ、パルクール? 前もやったよ? 見たじゃん」「*世田谷のヤマのあれか?」「うん。まあ、あれもそんなようなもんだよ」「オレもやろうかな」「ええぇー、危ないよぉ」「えーって、お前もやってるだろ?」「やってるけどさー。昴が運動神経良いのは知ってるけど、それでも付け焼き刃でやるのはおすすめしない。下手したら死ぬよ?」「お前だって同じだろう。ずるいぞ」「ずるくない。悪いけど年季が違うの。僕は中学ん時からトレーニング積んで、やってんだもん。それにちゃんとさ、フランス人の経験者のコーチ付きで、それ用の訓練場所もあったし」「フランス人?? 何それ、そんな知り合いいるのか?」「いや、僕は綱のおまけだよ。ほら、バイクレーサーやってる*元綱寛人。あいつン家、金持ちなんだよね。フランス人はあいつの親の知り合いだかなんかで、家庭教師の一人だったんだよ。で、パルクールの話を聞いた綱がやりたいって言いだしてさ、敷地内に訓練場所まで作ってね、始めたんだけど。お前も一緒にやるぞって、付き合わされたの。でもあいつは、その内バイクに夢中になってさ。今は海外が多いからもうやってないけど。僕は姉ちゃんに頼んで相変わらずそこでトレーニング続けてるよ。仕事に役立つしな」「はあー、訓練場所まで作ったってすげえな。うん? そいつん家、金持ちなのに公立行ったのか? お前公立だったよな?」「ああ、あいつも姉ちゃんと同じ私立に行くつもりでいたらしいけど、私立のお受験の日に大熱出して受験出来なかったんだって。で、中学浪人なんて綱ちゃんがかわいそうってママと姉ちゃんが泣いちゃって。焦ったパパがお受験出来る私立中学を調べたんだけど、あいつそこじゃ嫌だってごねたんだって。で、本人が公立になら行くって言うんで『もう仕方ない』って親が折れたって姉ちゃんが言ってた。んで、公立入ったものの、あいつ、わがままだしお坊ちゃん育ちだからねぇ。浮いちゃってさ馴染めなくって──ま、僕も周りに馴染めないってとこは一緒だったけどね。僕はほら、一匹オオカミでも全然平気だったし、強かったからいじめられはしなかったんだけど、あいつは一部の生徒からいじめられたんだよ。で、たまたま通りがかって、やっつけてやったら懐かれちゃってさー。あいつン家の親は高校こそは、姉ちゃんと同じ私立にって思ってたみたいなんだけど。聞かれて『僕はまだ高校に行くかどうかも分からないけど、行くとしても公立しか行けない』って言ったら、公立にしちゃったんだよ。『先、行ってるからな。絶対に来いよ』とか言っちゃってさ。変なヤツなんだわ、あいつは」「…………」「あー心配要らないよ。そういうんじゃない。言っとくけど僕はあいつのタイプじゃないから。あいつは、ロングヘアのあいつの姉ちゃんみたいなのがタイプなの。シスコンだから。あいつからしたら、僕は悪友の立ち位置じゃないかな。……じゃなかったら、ヘンなあだ名付けて呼ばねーだろうと、そう思うよ?」「あだ名?」「……マヨ」「あ? マヨだぁ? マヨ……? んー? どっから来てんだ? そのあだ名」「……マヨネーズのマヨだ」 なまえとマヨネーズの関連性が分からず、不思議に思った。オレの顔を見て彼女は『ふふ……だよなぁ』とおかしそうに笑い、由来を教えてくれた。1。世田谷切り裂き事件のこと。*29。に出て来たなまえの学校の先輩
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