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● ○ ● ○ とりあえず、二日間の休暇が明け外回りの後でデスクで報告書を書いていた時だった。「穂積先輩、います?」 言いながら、捜査室のドアを例のごとくバアーン! と勢いよく開けて凛子がやって来た。登場の仕方の騒々しさは、藤守兄といい勝負だ。「アンタ、もっと静かに開けなさい。うちのドアが壊れるわよ」「あははは。気を付けます。で、穂積先輩お呼びですか?」「凛子、新規部署任されたって話、本当?」「あら、さすが穂積先輩。お耳が早いですねえ。はい、本当ですよ。それなんですけど、もしかすると、こことも関連が出て来るかも知れないですよ」「うちと?」「ええ、まだ穂積先輩まで話、来てませんか?」「来てないわ。何よ、詳しく話なさい」「ここと、今度の新規部署がひとつの課になってですね、一係、二係というようになるかも、という話です。私が聞いた時点ではあくまでも可能性があるって段階で【かも】ってことだったんですけど、穂積先輩のところ、なかなか業績が良いってことで私にもそれに続くように期待しているとか言われましたよ?」 それを小耳に挟みつつ、オレは内心耳をダンボのようにでかくしながら(よっしゃー!)とガッツポーズをしていた。うまく行けば、またなまえの近くで働けるかも知れない。組めなくても、機捜よりは目が届く。(あとは、室長がうまく話を持って行ってくれれば……頑張ってください! 室長)ポーカーフェイスを装いながらそんな事を思っていた。「ふーーん。そう……ところで、凛子。アンタ、人選から任されているの?」「ええ、一応。海外研修で学んだことをも大いに活かして実績を期待するって話で、責任重大なんで目下優秀な人材を探しているところです。先輩、誰かいませんか? 出来たらデスクワークも現場でも存分に力を発揮出来る人物が良いんですけど。そういえば、ここってなかなか優秀揃いですよね? 誰かくれませんか? さっきも言いましたが、パソコンまで出来るようなのが良いんですよねえ。小笠原くん、くれません?」「やだ」 室長が答えるより早く小笠原が即答した。「あら、もう振られちゃったわ」「ちょっと、凛子。うちから引っこ抜いて行かないでよ。小笠原はあげないわよ。それに、小笠原は外には、なかな出ないから現場でも存分にとは行かないわよ」「そうなのねえ。穂積先輩、誰かおすすめいませんか?」「いるわよ。何名か」「え? ぜひ、教えてください!」 室長が、凛子になまえと堀崎と滝口を紹介してるのが聞こえた。『ああ、そういえばなまえちゃんを失念してた! 彼女ならぴったりだわ。その堀崎くんは彼女が育ててる後輩かあ。それに、麹町署の滝口さん、ね。なるほど、穂積先輩のおすすめなら間違いなさそう。とりあえず、会いに行ってみようっと。穂積先輩、ありがとう!』 そう言うと、さっさと出て行った。本当に嵐みたいなヤツだ。(なまえも、凛子が頭の新設部署なら思う存分力を発揮しつつやって行けるだろう) 明るい見通しがついたようでホッとひとごこちついた。そんな時、室長のデスクの電話が鳴った。室長とオレ宛に川原が掛けて来た電話だった。
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