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「おーいーみんなー! 一緒に歌おうよ」 彼女がマイクを通し言う。室長が『お前らも来い来い。小野瀬、お前もすましてないで歌え』とやはりマイクでがなった。でかい声にハウリングが起きる。「おま……うるさ、ちょっ、穂積。声でかいよ」「うるせえ。そんなことより歌え! 小野瀬、ノリが悪いんだよ。なあ、チビ助」 室長と小野瀬さんのいつものやりとりに、ひゃっひゃと笑って小野瀬さんを迎えに行った。小野瀬さんと彼女と室長でまたノリノリで歌い出す。室長も彼女も歌っては飲み、歌っては飲み、そして騒ぐ。しらふの小野瀬さんは少々大変そうだ。「もー楽しー! みんなと居ると楽しい、サイコー! んー」 そう、叫びバランスを崩してこけそうになった。小野瀬さんと室長が慌てて支える。「おチビちゃん、大丈夫?」「チビ助、危ねえなあ」「ありがと」 二人に順にハグして、頬にちゅっとした。「あ?」 思わず腰をあげた。(しまった。完璧に酔ってるんだった) 隣で他の連中も叫ぶ。「ああー!」 室長も小野瀬さんも一瞬、驚く。「えへへっ、お父さんもぉ、お母さんもぉ、みんなもぉ、大好きーぃ! みんな、ありがとー」 言って今度は前にズルりと倒れ掛け、転びそうになった。すかさず、キャッチして抱きとめる。「危ないって」「ああ、すぅだぁ。ふふ、ありがと。ねぇ、すっごく楽しいよ、すぅ。ふふ……いい気分」 彼女はオレにしばらく抱きついて笑ったり楽しいと言ってたが、その内もたれてうとうとし始め、やがて寝てしまった。ふと気が付くといつ寝たのか、ソファーの隅で堀崎も完全に眠りに落ちていた。二人の寝顔はそれぞれちょっと楽し気で穏やかだった。「良かった。彼女、幸せそうな顔で眠ってる」「ほんまや、気持ち良さそうによう寝取るわ」 小笠原と藤守が顔を覗き言うと、明智さんもちょっと腰を浮かせて覗いて見て『だな』っと優しい顔で笑った。「あーあ、寝る前に俺もちゅってやってもらいたかったなー。室長も、小野瀬さんもずるいですよ」 室長も、小野瀬さんも如月がギャアギャア言うのを知らんぷりでスルーしてソファーに座った。「おチビちゃん、少しはストレス発散出来たみたいだね」「ああ、解決にはほど遠いがとりあえずは、良かった」「そろそろ二年か、そろそろ異動もありだよねぇ」「どっかに良い異動先がありゃあな。小野瀬、それらしい情報なんか入ってないのか?」「うーん、噂程度なら。お前んとこがうまく行ってるから、来年新しいとこをまた立ち上げるかもって話をちらっと聞いた。確か凛子くんがトップじゃなかったかな……その辺曖昧だけど」「凛子? ふーん。あいつなら丁度いいな……ちょっと探ってみるか」 彼女にとっての吉報を凛子が運んで来ることになったのは、二人のそんな会話を耳にしたその少しあとだった。
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