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その後、堀崎が入って来るとそいつは川原に『女とは組めない。こんなのやっていけませんよ。女捜査官さまは新人の相手がぴったりじゃないですか? 自分の相方は、他のヤツに代えてくださいよ』と言ったんだそうだ。それで、相棒が堀崎になったらしい。「僕と組んでると堀ちゃんまでいろいろやられんだよ。気に入らないなら、シカトすれば良いのに。……もう、うんざりだ。そりゃあさ知ってるよ。世の中いろいろ。気の合うヤツ、合わないヤツ、いいヤツも、そうじゃないヤツも。今までだっていろいろあった。その度ひとりでうまく切り抜けて来た。けど、堀ちゃんまでっておかしいだろ。あいつは命令されて仕事で僕と組むことになったんだ。それなのに……とんだとばっちりだ。そんなの納得出来ない。いいヤツなのに僕のせいで……。そんなの、たまんない」 そこから始まって酒が進むにつれて、饒舌に胸の内を吐露し始めた。「使えねーのは貴様だ! ふふふ、堀ちゃんと組んでから僕達が初動の内に犯人逮捕に至ることや他部署から褒められることが多いんで、イヤミも言えなくってカリカリしてやがんの。ダッセーったらねーよ。僕にはもちろん、堀ちゃんにも四の五の言えんように、自分の全能力使って何としても手柄あげてやる。そのための努力や労力は惜しまない。僕はあんなヤツには、ぜってー負けない」 怒りで目をギラつかせ、まるでそいつの幻でもそこにいるかのように空を睨んだ。いきなりグラスを取ると一息に飲み干した。「あああーもう! くさくさする。よし、ここは、ぱぁーっと歌うぞ! カラオケいいですかぁ? お父さーんデュエットしよー!」 室長を誘って熱唱し始めた。ちょっとやけっぱち気味に歌う彼女を見て、明智さんが心配そうに言った。「チビがこんな酒の飲み方、珍しいな」 すると如月が『というかー』と切り出した。「チビが他人の悪口って、ほとんど聞いたことないなー。俺。本人に向かって文句言うのとか、意味ありげに笑ってるとかはありましたけど、こういうのは、本当に珍しいかもなー」「お嬢は褒めることのが多いんとちゃう?」「そう。チビは長所をみつけるのがうまい。みつけて褒めて自信を持たせてくれる」 小笠原が言う。「そのチビがこうなるってことは、相当ストレスフルになってるってことですか?」「そうだろうな。俺はチビの頑張りも能力も認めている。認めているが……女性が、あそこまで無理するのはどうかと思う。古いと言われるかも知れないがな。見ていて痛々しく思う。それに、やはり心配でならない」「そうですねえ。なんや気晴らしでもさせたろ思うんやけど。お嬢のとこは忙し過ぎて飲みにも誘えんのですわ」「そうそう。それだと俺らに出来ることなくなっちゃいますよねー」「彼女の力になれるいい方法があればいいんだけど」 小笠原の言葉に『だよなぁ』とみんなが思案する。「みんな、ありがとうな」 ありがたく思い、なまえに代わって礼を言う。「礼なんか要らへん。そないなこと、当たり前やんか。お嬢は俺らの妹なんやから。なあ?」 みんなが頷く。きっと彼女がいたらみんなの優しさに、感激してうるうるしてるところだ。
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