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「あん時か。んー…………これ、オフレコな。言ったらお仕置き。しめるぞ。ここだけの話、いいな? ぶっちゃけ、あぁまたおバカさんが騒いでるわくれにーには思ってたよ。川原なーマジで、腹に据えかねる。堪忍袋の緒が切れる寸前ってとこまで、行くような時もやっぱあるけどねー。そこまで行かない時はさー、一歩引いてみると意外に頭に来ない、なんてこともあんの。なんていうか、憐れな奴だなーって思えてねー」「そうなんだ。一歩引いて、かぁ。なるほど。今度俺も試そう。あ、で話し戻しますけど、あの時のようになりませんかねぇ。だって気持ち悪かったじゃないですか? あの態度、なんか後でありそうで怖いっす」「ああ、あの気持ち悪い川原はなー。んふふ……。あのなー、優しい策士さん達がいてなあー、ちょっちょいと裏ワザを使ったのさ」「策士? 裏ワザ? なんすか?」「んー? あれだ、まあ、詳しいことはなーお父さんとダーリンに聞いてみろ。たぶんよーくご存じのはずだぞ」「お父さんとダーリン? ダーリンは先輩の旦那さんですよね? お父さん??」「ああそうか、教えてなかったっけ。えっと、この人、穂積泪さんが、僕のお父さん。で、こっちの小野瀬葵さんが、僕のお母さん、で、あとのみんなは、僕のお兄ちゃんなのー」「はあ……つまり、皆さん先輩のファミリーなんすか? いいですねー」「いいって? じゃあ、堀ちゃんは僕の弟になるか? まだまだいっぱい、いるんだぞ。僕のお姉ちゃんにぃー、妹とかもいるぞー。僕はなー本当の家族にいろいろあって、ノラ猫みたいに育ったんだよ。でもな、僕は人には恵まれてたんだー。出会った人達にさー、良い人がたくさんいたのね。それでぇーみんなが家族代わりになってくれたんだ。でね、気が付いたら大家族になってたのー。ステキだろー」「大家族、ステキっすねー。今日から俺も大家族にお仲間入りなんですね。嬉しいです。バンザーイ!」「あ? 万歳?」「そっすよ。ステキ大家族でしょ。ステキ大家族万歳ですよ。大家族バンザーイ!」 そう言う堀崎にケラケラ笑ってから『だな。大家族バンザーイ!』と楽しそうに二人で騒いでた。完全に酔っているらしい。でも久しぶりに楽しそうで少しホッとした。酔っ払い堀崎は、そのあと室長達に懐いて一緒に酒を飲み盛り上がってた。彼女はそれをぼんやりと眺めてた。 「なまえ、お水飲むか?」「ん。ねぇ、すぅ……」「うん?」 レモン入りの水を飲みながら騒ぐみんなを見回すと、ポツリと言った。「やっぱ、捜査室はいいね。……あのさ」「何? 何でも言え。愚痴でも何でも。つらいこと、みんなオレには、ぶちまけていいんだ」「この仕事に、異動は仕方ないけどさ。でも最近は……ちょっときつくて、やめたくなることあるんだ。本当、情けないけど」「情けなくないよ。機捜はつらいか?」「うん。こことは全然違う。みんなバラバラ。よくあれで、マズいことが起きないなと思う」 彼女の様子から、少し溜まった鬱憤を吐き出せた方が良いと思った。「なまえもう少し飲むか? 明日から休暇だ。酔ってもいいよ。オレがいる」 それから、飲ませて溜まった不満を吐き出させるように持って行った。堀崎が、来る前組んでたやつは、彼女がトイレに行くと時間を計ったらしい。男が立ちションするのにくらべれば、どうしても女の方が時間が掛かる。ちょっとでも遅れると『これだから女は』と始まるらしい。その割に、なまえが活躍すれば『女のくせに』となるんだそうだ。とにかく彼女の全てが気に入らないという感じで何かにつけてぐちぐちと言われるんで、極力、隙を見せないようにした。彼女は感情を出さないようなった。
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