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● ○ ● ○ 捜査室には小野瀬さんも来ていた。「待ってたよ。おチビちゃん」「おかえりー」「お嬢と飲みは久しぶりやなー」「楽しみだ」「小笠原が飲み会を楽しみとは珍しいな。まあ、俺も楽しみだが。チビ、堀崎さん、今夜は好きなだけ飲んでいいぞ。チビがつぶれても昴もいるしな。たまには息抜きも必要だ」「あら、珍しく明智のお許しが出たわ。チビ助、堀崎、今夜は楽しみましょう。いっぱい、食べて飲むわよー」「おや、お父さんの飲んべいスイッチが入ったね。おチビちゃん、酔ったら介抱してあげる。安心して」 いつものように、笑顔で言われて彼女は黙り俯いた。「どうしたのよ、チビ助。ノリが悪いわねえ」「う、うん……みんな、ありがと……」 顔をあげた彼女の両目からポロポロと涙がこぼれた。「あーチビのダムが決壊したー」 如月の言葉を合図にしたみたいに、ポロポロがダーッとになり本格的に泣き出した。「ふ、ふーうっううぅ、ひっぐ、ご、ごめ……ぐしゅ、ぐしゅ……ひっく、うううー」「いいよ。みんな仲間ばっかりだ。もう、我慢もおやすみしろ。な? 泣いてもいいよ。ずっと頑張ってたんだもんな……えらかったな、なまえ」「そうやで。お嬢は、えらいわ」「だな。チビは一生懸命やってるな。頑張ってる」「今日だって大活躍だった」「チビすごかったなー」「如月くん、すごかったって何?」「ああ、小野瀬はいなかったものね。この娘、すごいのよ。忍者みたいにさ──」 みんながそんな会話をする中で、オレの腕の中で彼女はしばらく泣いてた。それから、室長が丈一郎の店に行くと言うのでみんなで繰り出した。事件解決の打ち上げと、この前出来なかったお祝いも兼ねておおいに食べて飲んで大騒ぎだった。今夜はさほど飲んでいないはずだったが、ずっと飲んでいなかった彼女と堀崎はすぐに酔った。「先輩ー、飲んでますか?」 「飲んでるよー。ほれ、堀ちゃんも飲め」「どうもっす。ねえ先輩、アレ、なんなんですかね?」「アレとは川原のことかあ?」「そっす。変ですよね?」「あ? んなの、いつものことだろうよ」「でも一体何があったんすかね。俺達、本当に休暇取って良いんでしょうか?」「ああー? いいつーんだから、いんじゃねーの。もう、知らん。僕は休む。んで、後で文句言ったら……」「言ったら? どうするんですか? 先輩。二人で謝るとか?」「なんでこっちが謝んのよ? 僕は悪くねーもんね。僕はぜーったい謝んないぞ。だいたいなー、自分が悪くもないのに謝るなんてヘンだろう。悪いと思わないのに、口先だけで謝るって逆に不誠実でおかしいだろ? もし文句言ったら僕が代表して行動するからお前は、なーんもしなくて良い。僕がお前の分までぶん殴ってやるから、任せとけ!」「え? 川原をぶん殴るんですか? 先輩」「うん、ぶん殴る。自分から休めって言って従ったら文句言うなんて、詐欺じゃんよ。それって悪意だろう? 悪意を向けるイコール喧嘩吹っ掛けてるってことじゃん。上等だよ。売るなら買うまでだ。僕はな、こっちからはむやみに仕掛けないけどぉ、売られた喧嘩はきっちり買う主義なの」 なんだか物騒なことを言う彼女に、堀崎は『先輩、カッコいいっす!』と拍手している。周りはオレと同じでなまえなら本当にやりそうだと思うのか、ちょっと心配そうな顔になる。「でもなーきっと文句は言われないと思うぞ」「どうしてですか? 言いそうじゃないですか? 休みの件じゃないっすけど、前にもそういうことあったですよね。自分が言い出したのに後で怒られたこと」「まあな」「あれ、自分悔しかったです。先輩、あの時キレませんでしたよね? 頭に来なかったんですか?」
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