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● ○ ● ○ その日の定時過ぎ、まだ残業中だった彼女と堀崎を室長が呼び出した。「お呼びでしょうか?」「ええ。呼んだわよ。真山巡査部長」「穂積室長、何でしょう?」「傷はどうなの?」「ああ、これですか? 大丈夫ですよ。たいした傷じゃありません」「はぁあぁぁ。あれね、アンタは適度に休み取らなきゃやっぱりダメよ。アンタ、気づいてる? 能面になってるわよ。ポンコツなヒューマノイドロボットじゃないのよ。全く」「ポンコツなヒューマノイドロボットぉ? 何それ。ひどいな。もう!」 彼女がぷぅっと膨れて唇を尖らす。「あ、なんだ、やっといつものチビ助タコになったわ。人間に戻って──あ、違ったわね。人間じゃなくてタコだもの。でもまあ、出来の悪いロボットよりはマシね。良かった、良かった」「良くなぁい! 僕はタコでもロボットでもありませーん。れっきとした人間だもんねーだ。全くぅ、なんなんのぉ? 残業中に呼び出しといていきなり悪口言ってぇ。むぅー僕がタコなら、お父さんなんかいじわる悪魔じゃん。べぇーだ!」 彼女があっかんべーをした。「あ、チビ助。このやろー、またあっかんべーしやがったな。お尻ペンペンするぞ」「野郎じゃありませんー。お尻ペンペンだってぇ、お父さんのスケベー」「何言ってる。お前だってスケベだろうが。このエロチビ助」 二人は子供みたいに言い合って、ギャアギャア騒ぎ始めた。以前と同じようにお構いなしの室長のペースに、彼女がのせられたかんじだ。「よーし! チビ助、堀崎行くぞ。俺がいかにすごいかもう一度、教えてやる。お前達も行くぞ」「ええー! 僕は無理。行きたいけどぉまだ仕事が残ってるもん」「仕事、仕事って。アンタはもう働き過ぎってくらい仕事してるでしょう? さっきも言ったけどね。たまには休み取らなきゃダメよ」「そんなこと言ったってやんないと……書類もたまってるし。またブツブツ言われて、余計な時間取られると困るもん」 思い出したように、うんざりした顔になりその後、ゆううつそうに俯いた。「ふーん。そっちは私に任せときなさい。昴、アンタこの娘と行って荷物取って逃げないように連行しなさい」「連行? ちょっとぉ、僕は犯人じゃないって」「いいから、いいから。堀崎、アンタも来なさいよ。さあ、みんなも支度なさい。あ、堀崎、ちょっと」 堀崎が引き止められたが、オレはブツブツ言う彼女を連れて先に機捜に向かった。「もーお父さんってば。強引だなぁ。本当にちゃんとやんないと後でブチブチ、うっさいんだよぉ」「なまえ、ここはお父さんに任せようぜ。な? 行こう」 出る時に室長が電話を掛けてるのが見えた。きっと機捜の彼女の上司、川原ってやつに掛けてるんだろう。出来るだけゆっくり行くことにした。
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