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そこで彼女の携帯が鳴り、短く応答し通話を終える。彼女は室長に『後はそちらにお任せしますのでお願いします』と無表情で言い、軽く会釈して堀崎と立ち去った。その背中を見送りみんながちょっと心配そうに呟く。「次の事件かな……」「やっぱり、機捜さんは忙しいんやろうねえ」「ろくに話す間もなかったな。早期解決は喜ばしいが、俺はチビが心配だ……」「なんかチビ変わったなー。いっつもこんな風に、無表情でさー」 如月が真似をしてブツブツとぼやき始めた。「それくらい堪忍したりぃ。そないなこと言うたら、かわいそうやで」「そうよ。如月。アレが、チビ助の機捜にいる時の営業用の顔だと思えばいいじゃない。変わってないわよ。チビ助は」「俺も室長に同意。チビは変わってないと思う。如月は、チビに甘え過ぎ」「そうよねえ、小笠原。如月は、甘え過ぎよね。いつも、チビ助にそうやっていじわる言うのよね。で、チビ助がたまりかねて怒るとどうしようって騒ぐの。何度も言ってるけど。アンタ、本当にほどほどにしときなさいよ? 嫌われても知らないわよ。私は」「ボスの言う通りだ。如月はチビにもう少し優しくした方がいいぞ」「エンジェルスマイルができひんのはやね、そんだけ無理してるんやないかて思うで。あないなとこ、なんぼ頑張り屋さんのお嬢でもキツイんちゃう? あの子ぉは優しい子やから。無理し過ぎなきゃええけど。ほんま、心配やな」「だな」「でも、彼女。いまだってかなり無理してるよ。さっきのだって見てて大丈夫か、怖かったよ」「ああ、小笠原さんの言うのは、あの忍者みたいのですよねー?」「あれは、肝が冷えたな」「せやせや、明智さんの今言うたそれ。なんやの? あれ。めっちゃびっくりしたわ」「あれは、多分、フランス発祥のパルクールだと思うよ」「パルクール? 何なの? それ。小笠原、分かりやすく説明してちょうだい」「パルクールは元々は、フランス軍が完成させた技術で目的地に効率的に移動する移動術だよ。壁や地形を活かして、走る、跳ぶ、登るなどの動作を複合的に実践して、人が持つ本来の身体能力を引き出し追求する事で、生活やスポーツに必要なすべての能力を鍛えて行くらしい。最近では、よりパフォーマンス性高い要素が含まれてきているみたいだけど。いずれにせよ、あんなに軽やかにやってるところを見ると、彼女、もしかしたら前からやってたのかも。それなりに訓練したり、鍛えたりしないと、いきなり出来るものじゃないと思うよ。一柳さん、話題に出たことないの?」「いや、何も聞いてない」「それにしても、あのじゃじゃ馬娘は危ないのが好きねえ。バイクレースだの、パルクールだの。はぁあぁー、本当に心配ばっかり掛けるんだから。私がハゲあがったらどうしてくれるのよ! あの、あほの子二号はっ!」 室長が怒り始めたので、とっとと警視庁に戻ることにした。
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