ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「クソー! 見失った」 路地を入って、古い雑居ビルがひしめく場所に出た時、二人を見失った。すぐ後に来た如月も足は速い方だが、ゼイゼイと息を切らして言った。「あんなの、無理ですよ。はや過ぎます」「ハァハァ……昴、チビ助どっち行った?」 室長と藤守、明智さんが来る。見失ったと首を振った時だった。「ああー! あれや。上や上、上を見てみい!」「な、何だ……。あの忍者みたいなのは」 後から合流した明智さんが驚く。無理もない。二人はまるでアクション映画やドラマのワンシーンみたいに、屋根伝いに隣のビルへと飛び移りながらビルの屋上を移動していた。オレと室長がほとんど同時に言った。「なまえ、無茶し過ぎだ」「あのバカが! おい、チビ助を追うぞ!」 二人が向かったビルの方角に、みんなで駆け出した。(きっと犯人はこのビルで足止めを食う。このビルから隣へは距離がある。後ろには彼女が張り付くように追っている。逃げ道はないはず) あたりをつけたビルの屋上へと駆け上がる。屋上の扉の近くまで来た時、風向きで彼女の声が聞こえて来た。「ハァ、ハァ、おい、どうすんだ? 飛ぶのかよ? 軽く五、六メートルは離れてるぜ。落ちて脳みそと内臓ぶちまけるのか? お前の好きな死体の出来上がりだな。ま、お前は見られないがな。何だ? 足が震えてるじゃないか。フフ、笑える。他人は平気で切り刻むのに自分は嫌ってか? このヘタレのサイコ野郎が!」 思いっきり小ばかにしたように挑発する。それを聞きながら扉を開けて屋上へ。「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」 オレの目に犯人が、叫び声をあげてナイフ振りかざし彼女に向かって行く光景が飛び込んでくる。彼女は、警棒片手に迎え討つ。ナイフを持つ手首を容赦なく思い切り打った。『ウギャッ』と声を上げ手首を押えよろめく犯人を、下から蹴り上げて吹っ飛ばす。「あ? 痛いか? こんな程度でギャアギャア騒ぐなよ。お前が切り刻んだ被害者達は、こんな痛みじゃ済まなかったはずだ。もっともっと痛かっただろうよ。お前もちっとは、他人の痛みも知れて良かっただろう?」 言いながら、倒れてる犯人に近寄り腕をねじ上げ押さえつけた。こちらを振り向きオレを呼ぶ。「なまえ、顔、切れてるじゃないか!」「大丈夫、たいしたことない。それより、手錠掛けなよ」「オレが?」「うん。いいから、早く掛けて」 手錠を掛けたところで、みんながたどり着いた。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。