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「違う! 最低なのは、昴じゃないよ。僕が最低なの。すまん。八つ当たりした。……本当に、ごめんなさい。最近、僕はきみに対してちょっとひどいよね。すぐキレるわ、言いたい放題好き勝手に言い過ぎる。家のこともちゃんと出来てないし。大事な日にお祝いさえ出来ない……それなのに、誕生日に八つ当たりするなんて最低だ。ごめん。こんな日に嫌な気分にさせてマジ、ごめん。なんか、気が付くとひどい言葉が口から出てるんだ。マズいって思っても、一度言い出すとイライラして止まんないだ。思いやりも何もあったもんじゃない。自分で最低だって自覚はあっても、コントロールがきかない。余裕ないんだ。こんなんじゃダメになるよね。あのね、僕らさ……あのさ、落ち着くまで離れた方が良いかも知れないよ」「あ? 何言って──」「傷つけるより、ひとりのがいいの! 寂しい方が……まだマシなんだ。このままだと僕、完全に壊しちゃうもん。どのみち、今だって同じじゃないか。僕のせいで、まともに会話さえ出来てないし。…………悪い、本当にもう行かなくちゃ。言い逃げで卑怯だけど早く探さないと。とにかく、気をつけるよ」 行き掛けるのを室長が、呼び止める。「チビ助、待て。俺達も同行する」「だね。一緒に行くよ。おチビちゃん」 その言葉に困惑したような顔をになり、ふーっと息を吐いて無理に笑った。ちょっとおどけた口調で言った。「はぁ? またまたーご冗談でしょう?」「なまえ、冗談じゃない。本気だ。ちなみに、オレも行く」 そこへ、堀崎達が入って来る。彼女が『堀ちゃん。車、鍵掛けた? 鍵貸せ。座って飯、食え。旨いぞ』と促した。堀崎は『はあ……』状況をつかもうとするのか、ちょっと曖昧に返事をしてきょろきょろみんなの様子を伺う。彼女が室長に向けて、また会話を再開した。「何言ってんですかぁ? おちついてぇ。やめた方が良いよぉ? 担当外でしょう? 問題ありありじゃん。問題になったら後で、ギャーすか言われるのは僕だけじゃ済まないよ? きっと狂ったように大騒ぎする。[なぜ管轄外の課が出張って来るんですか?]ってこめかみに青筋を立てて、眉をピクピクさせてキンキン金切り声をあげてさ。大変だよ? それにー。僕も堀ちゃんも一応、銃は持ってる。だーけど、堀ちゃんはまだ新人だからね、腕は期待できない。堀ちゃんも訓練頑張ってはいるんだけどねぇ、もう少し時間が必要。そもそも、堀ちゃんは根が優しいヤツだから銃は苦手だしさ。僕一人じゃもしもの時、全員はカバー出来ない。正直、堀ちゃんだってここに置いて行きたいくらいなんだよねぇー。あ、そうだ、堀ちゃん。お前飯食って、タクシーで先に帰れ。僕がちょっくら行って見て来るから。んじゃーなー」 言い切る前に、サッと立ち去ろうとする彼女。
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