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「ちょっと、アンタ達。そのくらいにしておきなさい。そんなの聞かれたらまた大騒ぎで仕事にならないわ」 みんな想像したのか、ピタリとその話題をやめた。オレや、みんなが、気が重いのはこれが原因だ。一人の出現に、引っ掻き回されている状態だ。 現在、捜査室にアルバイトとして、女が来ている。上層部の娘で、無理無理押し付けられたらしい。一応、表向きはここの庶務担当だが、実際に任せられるのはお茶入れと、簡単な電話の受け取りくらい。仕事なんてまともにやったことも無さそうな箱入りの超わがままお嬢さま。空気は一切読まない。こっちの状況や事情は無視する。失礼なことでもお構いなしに口にする。ちょっと気に入らないとすぐにギャーギャー騒ぐ、泣く、暴れると来た。極めつけは、嫌いなヤツがいればそいつの悪口や噂話をあることないことを平気で言いふらす。自己中心的で高慢で、性格最悪の女だ。そんな女がどうして、無理やり裏技を使ってまで捜査室で働きたがったのかが、みんな疑問だった。だが、すぐに分かった。本人自ら語った。オレに一目惚れしたので、愛娘に激甘なパパに言ったそうだ。『パパは何でも聞いてくれるの。だから、捜査室で社会勉強がしたいわってお願いしたのよ』と。オレは、もちろん即座に『妻がいるのでそういう気はない。諦めてくれ』と断った。人の話を聞かない女なので、未だにしつこくされてうんざりだ。宣言通り相手にする気はないので、仕事に関係ないことは無視している。 ノックがしてなまえと小野瀬さんが入って来た。みんなに挨拶してオレのところに来る。「すぅ、誕生日おめでとう。キミの誕生日で結婚記念日なのに、今朝、一人にしてごめんね。今夜も……ごめん──」 申し訳なさそうに言う彼女の声を遮るように『ン、まぁー!』と大げさな声が響く。見れば、女が帰って来ていた。つかつかと彼女の前に来ると、偉そうに腰に手をあてて言った。「あなたが、奥様? ふぅーーん。……フッフ、なーんだ。そうですの。昴さんほどの方の奥様ならさぞかし素敵な方だろうと思ってましたのに。がっかりですわー」 突然のワケ分からない登場の仕方をする女に、みんな呆気に取られる。その間に、女は好き放題言い出した。「今日は昴さんの誕生日でしょう? それと、ご結婚記念日だとか。あなた、そんな日に何もなさらないの? ご自分達の結婚記念日よ? それ、女としてどうですの? あなた、終わっていますわね。反省した方がよろしいわよ。しかも愛する旦那様の誕生日という大事な日に、昴さんお一人にするおつもり? 信じられませんわ。昴さんをないがしろになさるなんて」
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