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開けて九月十四日、昨夜遅くに仕事に行った彼女は、徹夜だ。昨夜帰宅してから、サイレンの音が聞こえた。近場でなんかあったらしい。もしかしたら彼女かも知れない。誕生日で結婚記念日に彼女の顔も見られないのは、そりゃ本音を言えばオレだって寂しい。だが、そんなことよりも──。「また休みが飛んだな。もう、ずっと働きづめだ。どうにかしないと……このままじゃハニーも限界だ」 この二年で独り言が増えた。つまり、それだけオレのプライベートに彼女がないってこと。その間彼女は仕事に追いまくられて、遊びもせず休みもろくろく取れずに仕事づけの日々を送って来た。いくら頑張り屋でも限界はある。このままじゃ、壊れてしまうんじゃないかと心配になる。(……どうしたもんかなあ。なんか策はねえか?) 考えつつ、壁の時計に目をやる。休日返上して仕事に出ることにした。「さてと、もうそろそろ時間だな。オレも頑張らねえと」 実は、オレもいささか気が重いことがあるんだ。考えるとため息が出そうだ。珈琲を飲み干し、キッチンに食器を運び、食洗器に入れる。そこで、彼女を思い浮かべる。「なまえなら、きっと……」(彼女なら、フッと笑って[そうだよ。頑張ろうね、すぅ]って言うだろう。そして、笑顔とキスをくれる) そう思ったら、重い気分が少し晴れてやる気が出た。「さすがは、ハニー。そばにいる時はもちろん、いない時でさえ、いつでもオレに元気をくれるな」 上着を持ち出勤のために、家を出た。
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