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「いや、ちょっと。警視庁でオレとなまえが最初に会った時のこと、思い出したら。笑えてな」「何? 聞きたいわ。教えて」「なまえがトイレに行こうとしてたのを、覗き野郎だと勘違いしてな。揉めたんだ。海司……ほらなまえの幼なじみの男、いたろ? 秋月。アイツがオレに弟をよろしくって言ってたし。おまけに、なまえはいつもの男装だろう。男と思い込んでなー。……なのに実は女って分って、びっくりしたよ。 つくづくヘンな女だと思った。ふっ、第一印象それだからな。最悪だったぞ」「え? そうなの? それでああた、よく好きになったわね? あぁ……ベイビーちゃんからのアプローチ?」「いや、オレから。多分のめり込んで惚れたのも、オレからじゃないかな。仕事で組まされて初っぱなに、女子相手の聴き込みに怖い顔してないで笑えって、ダメ出しされてさ。あれには、ムッと来たよ。けどな、次の瞬間。オレの笑顔を誘うように、なまえが笑ったの見てさ。なんか、すごく眩しくて綺麗で……ドキッとした。その笑顔にやられたな。それに、なまえを知れば知るほど惹かれたよ。外見だけじゃなくて、生き方というか……人間的にもすげーやつなのが分ってさ。もう完敗だった」「人間的に、か。なんとなく分かるわぁ。可愛いだけじゃないのよねぇ、彼女」「ああ。第一印象最悪でも、そうやって変わることもあるんだから分かんねーぞ。あいつらも驚くかも知れないけど。その内、理解してもらえるかも知れねーし。ま、最悪……縁切られても他にもまだ仲間は、沢山いるだろ。オレや、なまえ。ここにいるやつらとか、モモちゃんとかさ」「昴ちゃん……そうね、そうよね。アタシ、負けない! うっうぅ……感動したわ。ああたって、やっぱり最高だわ。ありがとう」「わっ、お前ー。何も泣くことは、ねーだろう」「おーい、昴。チビ助どこか、知らね── んん? 源次郎、何泣いてんだ?」「おや? 涙で密談とはおだやかじゃないねぇ。おチビちゃんがいないのをいい事に、隠れて別れ話でもしてたの?」 タイミング悪いとはこのことだろう。源次郎が泣き出したところへ室長やみんながやって来て、小野瀬さんがとんでもないことを言い出す。「ええー、ウソでしょー! 一柳さん。あんまりだー!」 如月がギャーすか騒ぎ出し、室長までがそのあとに続き不審そうに眉をひそめた。「あぁん? 昴、お前そっちまでオッケーなのか?」「何ぃ? 貴様。なまえさんを妻にめとるという、ものすごく羨ましい身分でありながら、この人ともそんな不埒な関係に? けしからん、けしからんぞ!」「本当なら、アニの言うのに同意。一柳さんの重罪刑は百パーセント確定。それも、執行猶予無しだね」「その通り。俺達も、ボスも許さん」「そらなんぼなんでも、えげつなすぎるわ。ほんまなら、小笠原や明智さんがそない言うのんも無理ないんちゃうか。もーあれやで? そんなんやったら自分、ギタンギタンにされても文句は言えんやろ。お嬢泣かすなんてあかん! 許されへんわ。あんなぁ、そん時は覚悟しぃ。たとえお嬢が止めたかて、かんにんせえへんからな。この賢ちゃんが、いてこましたるさかい」 興奮気味に関西弁でまくしたてる藤守弟。明智さんやみんなも目がマジだが、藤守も珍しく本気モードですげー顔で睨まれる。
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