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● ○ ● ○ マティーニ片手に飲んでると、源次郎がグラスを手に隣へやって来た。「あら、昴ちゃん。ひとり? ベイビーちゃんは?」「ん? ここだよ」 オレは視線を落とし、膝の上でスースー眠る彼女の頭をそっと撫でる。「まっ、寝ちゃったの? ふふ。可愛い顔して……」 撫でようとでもするように、何気なく源次郎が彼女へと手をのばす。起こさないように気を付けながら、それをかわす。「ダメ。オレの」 源次郎がちょっと驚いた顔になり、それからおかしそうに笑い出した。「うっせーな。笑うな。だいたいお前は、触り過ぎなんだよ。……んとに」「昴ちゃん、ああた。本当にベイビーちゃんにメロメロね。うふふ……」「悪いかよ」「悪くないわよ。昔のああたより、今のがよっぽどステキだもの。ああたって、昔から見た目はイケメンで美しかったけど……ひどかったものねー。クール通り越して、まさに女の敵ってかんじ。天使の外見を持つ悪魔……」「ひでー言われ方」「あら、本当のことじゃないの。でも、まあさ……気を許した友人だけには優しかったわよね。 ああたって。 アタシ、昔からああたのそういうとこが、好きなのよねぇ。ま、ああたはお友達も少なくて、友人って言ってもアタシとほかに数人しかいなかったけどねぇ」「厳選したの。それだけいれば十分だったんだよ。いいだろ、別に」「うふふ。変われば変わるものねぇ。そのああたが、今は沢山のお友達に囲まれて、こーんなに可愛い奥さんまでもらって……。すごく幸せな顔しちゃってさ、よく笑うようになるなんてね。ベイビーちゃんのおかげ?」「そうだな。 なまえに出逢って人生が変わったよ。それもいい方にな。好転した」 「彼女、ああたの幸運の女神だったのかしらね」「うん」 素直に頷くオレに、源次郎が少し感慨深そうにしみじみと言う。「本当に良かったわね、昴ちゃん。あーあ、思い出したら懐かしくなって来ちゃた。みんな、どうしてるかしら?」「そうだな。 オレも忙しくて連絡してねーんだよなあ。 考えてみるとあの頃の仲間は、お前としか交流してねえな。あいつら元気かなー」「久々にさぁ今度、集まる? ああたの女神ちゃん、みんなにも紹介しなくちゃ」「ああ。それはいいけど。お前、いいのか?」「アタシ? いいって何が?」「お前、あの頃はまだオトコだったろうが。あいつら、知ってんのか?」 オレの言葉に首を振り、ちょっとシュンとして『やっぱり、驚くかしら?』と呟いた。(そりゃそうか。源次郎の方にも戸惑いや迷い、不安はあるよなー)「うーーん……どうかなぁ」「ねぇ、昴ちゃん。もしかして……縁切られるかしら? イヤ! そんなの、イヤよ! 嗚呼ー! どうしましょう」 源次郎が、この世の終わりみたいに嘆く。「おい、ちょっと落ち着けよ。まだ分かんねーだろ」「……う、ん。そうよね。でも怖いわぁ……。そういえば、昴ちゃんはアタシがこうなっても普通でいてくれたわね」「あ? そりゃー驚きはしたけどな。お前、中身は変わってなかったからな。でも、オレを襲って来たらその腕、ぎゅうぎゅう絞めあげてやってたかもな」「こ、怖いわね。良かったわ。やらなくて」「当たり前だ。オレはそっちのシュミはねー。まあ、あいつらも驚きはしても分ってくれるんじゃねーの。驚くか……ふっ、ふふふ」「なぁに? 急に」
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