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「ねえ、すぅってば。聞いてるーぅ? 色々ってどんなの? 知ってる?」「ああ、酒か。白酒(パイチュウ)、茅台酒(マオタイ)果実酒なんかもあるぞ。杏露酒、檸檬香酒、林檎芳酒、桂花陳酒とかか。果実酒は甘くて美味しいぞ。杏露酒は家でお前が美味しい、美味しいって飲んでたやつ。あんずの」「ああ、あれな。あんずの酒。うん。美味しかった」「あとは青島(チンタオ)汾酒(フンシュ)、白乾高粱酒(パイカルコウリャンシュ)薬味酒の五加皮酒などもありますし、ワインやほかのお酒もありますよ。ですが、紹興酒はだいたいアルコールが十六度前後ですが茅台酒(マオタイ)五十三度もある強い酒ですから、注意しなくては」「へえー秀樹兄ちゃん、詳しいんだね。そういえば、言葉も流暢だった……中国方面に明るいの? それともお酒、好きなの?」「まあ、中国に行く機会は結構ありますし、お酒もどちらかといえば強い方です」「そうなんだぁ。じゃあさ、秀樹兄ちゃんも一緒に飲もうねぇ。茅台酒かぁ。楽しみだなあ。ってかさ、もうプライベートなんだから敬語無しでリラックスすれば? もっと楽しもうよ。ね? そんでぇ、みんなで一緒に料理もお酒も楽しもう。ふふふ」「ああ。分かった。分かったが、あまり飲みすぎない方が──聞いてるか?」「あはは。やっぱり無駄みたいですよ。石神さんもなまえちゃんに掛かったらかたなしですね」「ローズマリー、なまえは外でもすごく飲むのか?」「あ? まー、な。お酒好きだからな。おーい、なまえ」 彼女は既に移動し、はしゃぎ、源次郎と盛り上がってる。「なぁに? すぅ。呼んだ?」「ああ。呼んだ。お前。石神達が、心配してるぞ」「うん? 何の心配?」「茅台酒は強いお酒だから飲みすぎないように石神が言ったろ?」「ああ。五十三度、だっけか? 強いったって、スピリタスの半分じゃないか。別に、問題ないよ。それに、今夜は一気飲み、しないしなー」 平然と言う彼女に石神が驚く。黒澤が誰にともなく聞いた。「スピリタス?」「ポーランドのお酒で九十六度あるアルコール度数世界一と言われる酒です。なまえ、飲んだのか?」「そうよ。石神さん……ってか、石神でいいか。もうアンタもチビ助一派なんだしねえ」「何、僕の一派ってぇ。へへへ。やくざみてぇー。僕、組長?」「いいでしょう? 仲間って意味もあるんだから。ねえ? 石神?」「まあ、いいですが。で、飲んだのか? なまえ」「そうそう、飲んだわよ。もう水みたいにガンガンと。すごいのよ。この娘は。全く、止める間もないのよ」「だねぇ。あの時のおチビちゃんはすごかった。あの一気にあおる飲み方、ええっとショットガンだっけ? あれで続けて二杯もいったんだよね」「え? 一気飲みしたのか?」 石神が唖然とした。そんな無茶飲みするやつはあまりいないだろうから、驚くのも無理もない。「石神達は知らないだろうけど、チビ助はこんなガキみたいなナリで大トラもいいとこなのよ」「なまえ、オレがついてはいるけど、今夜はあんなに飲んじゃダメ」「ええー? すぅ、ダメなのぉ?」「ちょっとならいいけど、あんなにいっぱいはダメ。分かった? お前ね、また二日酔いになるぞ? 嫌だろう?」「二日酔い……う、うん。分かった」「その代わり、料理は沢山食べていいから。星付きだから美味いんじゃないか? 楽しみだな」「うん!」「さ、中に行きましょうか? ほら、チビ助。これ飲んどきなさい」「ウコンかぁ。薬っぽくて苦手ー」「明日、二日酔いよりいいでしょうが。ほらほらさっさと飲みなさい」 せかされて、ウコンのドリンク剤を飲み、うへーっとヘンな顔する彼女。その様子にみんなで笑いつつ、店へと入った。
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