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● ○ ● ○ 店の前で、彼女が立ち止まる。『どうした?』と石神の声が聞こえた。振り向き見れば、止まらず進んだみんなに一歩遅れるかたちの彼女を、横から石神が覗き込み話し掛けているところだった。彼女は顔をちょっとひきつらせ、どもりながら答えてた。「す、すごい、お、高そうなお、お店……。き、き、緊張して……」 反対側から後藤が聞き返す。「なまえ、店構えを見て物怖じしたのか?」 いつぞやの、一昔前のロボットみたいな動きでカクっと頷く。「飯を食いに来ただけだ。取って食われる訳じゃない」 そう言う後藤にまたカクっと頷いて言った。「で、で、でも、こ、こんなすごいとこ、慣れてないしぃ……。僕、マ、マナーが自信ない」「なまえちゃん大丈夫ですよ。みんな仲間内ですし。リラックスしていきましょう」「そうですね。後藤や黒澤の言う通り。そんなにかたくなることはありません。いつものように食事を楽しめばいいんですよ」「でも、なまえちゃんってナイーブなんですねぇ」「あら、そうよ。だから最初っから『うちの娘は繊細だ』ってそう言ったじゃないよ。チビ助は元ヤンのじゃじゃ馬娘ですぐかっこつけるし、負けん気は強いし、やせ我慢するし、おまけにエロガキときてる。なのに、繊細なのよねえ。泣き虫で繊細、もう本当にとんでもなく手の掛かるアホチビなのよ。ね? チビ助」「む、むぅーひ、ひどい」「お父さんは事実を言っただけです。ところでアンタ、なんかポンコツロボットみたい。笑えるわ。あははは。バカねえ。何、緊張してんの。後藤の言う通りよ。アンタが食われに来た訳じゃないのよ? いつも通り天国ごはーんって旨そうな顔で食べてりゃいいのよ。紹興酒飲むんでしょう? なんかさ、小笠原情報によると、お酒も色々あるらしいわよ? ね? 小笠原」「うん、まあそれなりにね。あのさ、チビ。それに、きみが緊張するかと思って個室おさえてあるから。心配いらないよ。俺達だけなら、いつものご飯と同じだろう?」「個室……。ふぅー。そっか、個室かあ。良かった。小笠原さん、ありがと」「おっ、ようやくお嬢が笑顔になったわ」「小笠原さん、Good Job!」「チビ、ほっとしたのは良いが、また無茶飲みするんじゃないぞ」「んー、明智さん大丈夫。一気飲みとかさ、無茶じゃなきゃいいんでしょ? ちびちびゆっくり飲むよ。ねえ、ねえ、小笠原さん。色々って? どういうの?」
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