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「入店させませんって。アンタそれ、かなりエロいわよ? やーねえ。あ、チビ助が赤くなった。あっはは。エロガキなのは、やっぱり着飾っても変わんないのねえ。さてと、チビ助の食べ放題はダメらしいから、おとなしく高級中華に行くわよ」 室長の言葉に、ぞろぞろと移動し始める。いつもの方角とは違う道を行くとデパートが多い通りに出る。セール時期で広告や垂れ幕が下がってだ。こういうの好きそうだなと隣の彼女を見れば案の定『冬物セールだって』と小さくひとり言をもらし、ワクワクした顔になっていた。楽し気な様子にオレも口元を緩めると、腕がくいくいっと引っ張られた。「ねえ、すう。見て。あのウィンドウのコート、可愛いよ」 その声に目をやると、ちょっと先のウィンドーにポンチョ型のダッフルコートやなんかが、見えた。他にも数点の冬コーデが飾ってあった。近寄ってみる。「うん。可愛いな。なまえに似合いそうだ。なあ? こっちのロングニットワンピ、なまえ好きそうだな」「あーほんとだー。こういうの好きー。これ、下に重ね着してんの、ワンピ? スカートかなぁ?」「あら、ベイビーちゃんこういうのも好きなの? んーベイビーちゃんは細いから、どっちでもいけそうだけどこれは、スカートかしらねぇ」「なあ、このポンチョとワンピ、後で買ってやろうか? ポンチョコートは、持ってなかったろう?」「で、でもぉ……」 欲しそうなのに、もごもごと口ごもる彼女。(ん? ああ、なるほどな) すぐに察しがついた。「源次郎。こういうの取り寄せられるか?」「ええ、それは大丈夫だけど?」「なら、取り寄せてくれ。どうせ買うなら、やっぱりお前の店のがいいからな。なあ、なまえ」 彼女がにこっと笑い頷く。源次郎がオレ達を代わる代わる見て感激したように『ありがとう。昴ちゃん、ベイビーちゃん。大好きよ』とオレ達の首にむぎゅっとした。「源次郎、分かった。分かったから、ハグはやめろ。ハグは男とは、あんましたくねえ」「んっまー。昴ちゃんったら、人の感動に水さすことないじゃない! 昴ちゃんのイケズ」 怒りながらぽんぽこ叩いて来る。なまえのそれと違い、源次郎のは痛い。『いてえな』と言いつつ逃げ出した。後ろで笑いが起こる。目的地への道のりをそんな風に、和気あいあい楽しんだ。
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