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「それがですね、どーしても行く言うてきかへんのですわ」「当たり前やないか。夜の街に、こんな色っぽいチャイナドレスのなまえさんが出歩かれるなんて。危険じゃないか」「危険って。俺達、刑事ですよー? 心配いりませんよ、ねぇみなさん」「如月の言う通り」「眼鏡、それが甘いんじゃ。危険極まりないぞ? 夜の街へこんな美しいなまえさんが行くとだな。注目されるに決まっている。そうすると、男どもの舐めるような視線にさらされる訳だろ。[ああ、いやらしい視線が私に向けられて、痛いわ。どうしよう]恥ずかしそうに頬を染める様子にますます視線が釘付けになるわけだ。なまえさんの色香に男どもが、たまらなくなって[そこの綺麗なお姉さん、一緒に遊ばない?][え? こ、困ります]戸惑うなまえさんの手が掴まれて[いいだろう。俺達といいことしよう][ええ? でもぉ、ああーおよしになってぇ]と、こんなことになってしま──」 ──バコッ!──「痛っ、だから穂積。殴るな」「アンタこそ、変な妄想はやめてちょうだい。うちの娘が怯えてるじゃないの」 話題にのぼった彼女は、オレの後ろで気味悪がる。小声でささやいた。「ね、ねえ? すぅ、もしかして今の、僕の真似? 何? うぅ……ちょっとキモいんだけどぉ……」「なまえ、大丈夫だ。オレもお父さん達もついてるから」 安心させようと言うと、状況を分かっていないらしい当のアニまでオレに続く。「そうですよ。なまえさん。私がご一緒してあなたを守りますから、安心してください」「いや、アニ。おチビちゃんはきっと今、きみが一番怖いんだと思うけど?」「あ? なぜだ? 小野瀬」 とんちんかんなアニに、小野瀬さんはため息をついた。「せっかくですが、間に合ってますからどうぞご心配なく。妻のことは、オレが守りますので」「そうやで? 兄貴。そないな心配はいらんわ」「そうだな。昴はここに来る前は優秀なSPだった訳だし」「そうですよ。チビバカな一柳さんが、チビの危機を見逃すはずありません」「俺も如月と同意見」「アニ、さっき如月も言ったけど。アンタ、私達の仕事、忘れてる訳じゃないよねえ? 刑事がこんなにいっぱいついているのよ? 心配いらないわ。それにね。たとえ蹴り技を使わないにしても、チビ助はアンタよりもはるかに強いわよ。防体術だって、合気道だって心得てるしねえ」「いや、穂積。俺は別に、なまえさんが弱いと言ってる訳ではないぞ? 彼女の活躍は耳にしているしだな、それは、分かっている。そういうことではない。ないが…………。と、とにかく一緒に行きますから!」「ええ? やっぱり一緒に行く訳? アンタだけは避けたかったんだけど?」 室長が言うとアニが一瞬、困った顔をした。それを見た彼女は、かわいそうに思ったらしい。室長にとりなすように言った。「まあさ、いいんじゃん? 守るとか必要ないけど、せっかくだし。藤守さんのお兄さんも美味しいの食べたいんじゃない? 源ちゃん達も行くんだしさ、一緒に行ってもいいんじゃないかな。ご飯は、大勢の方が美味しいよ? ね?」「まあ、チビ助がそう言うなら仕方ないわね。アニ、料金は自腹だから。それと、おさわりはなしよ? 分かってるわよね」「大丈夫だよ。藤守さんのお兄さんは検事さんだもん。そんな事、きっとしないよね?」 ちょっと危ない気はするから用心はするが。それでも普通の神経を持つやつならば、彼女にこんな風に言われたら、下手なことは出来ないだろう。「さ、行きましょうか」 捜査室をあとにした。
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