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● ○ ● ○「はーやっと終わったー」『お疲れー』とみんなからも言われほっとひと息というところで、会場からまさかのアンコール。で、アンコールで出てくれと頼まれる室長とオレ達。「え? えぇ? うそでしょう? アンコールなんて何やんのさー! もう一度、いかのおすしでも歌えってえのー?」 そう悲鳴のような彼女の声が、まるで聞こえたのかと思えるタイミングで『ダンス! ダンス!』のコール。彼女ファンは、警察内に限らず一般にも結構いる。過去のイベントやらで何度かダンスを披露してるので、一部では情報が流れダンスの事は有名になっている。なので、こういうコールが起こっても不思議ではないが、今回は何も準備がない。彼女が[マジか!?]とでも言いたげな顔で焦る。「……ですって。チビ助」「え? この格好で僕にダンスパフォーマンスをしろとぉ? だって、園服だよ? アホみたいじゃん。滑稽すぎでしょう!」「でも、コールやまない」「う、小笠原さんまで……。で、でも何踊るのさ? 音もないじゃん」 結局、音は音楽配信サイトからダウンロードするなりして、音響設備に繋ぐことになった。彼女は完全にやけっぱちになった。「分かりましたっ! やりますよ。やればいいんでしょ。はぁあぁ。本当に、仕方ねえなー。なんでこんな羽目になるんだぁ。とほほ……。やるしかない、やるしかない。仕事だ、仕事。がんばれ、僕」 ちょっと嘆いたあとで自分を励ますように言い、気持ちを切り替える彼女。「えーっと、着替えは私服しかないか。でも園服じゃあ、さすがになぁ。私服でやるか。しょうがない。おパンツ丸見えよりいいもんな」「あっちの陰で着替える? チビ助。悪いわねえ。いつも無茶ばっかりで──」 室長が申し訳なさそうに言うのに、なんとかにっと笑って彼女が答える。「いいっすよ。これもお仕事っすから。それに室長のせいじゃないっしょ。んじゃ、僕そっこーで着替えてくるんでほんの少しの間、場を繋いどいてもらえませんか? 急ぎますから」「分かった。こっちはなんとかするわ」「昴、一緒に出てくれる? 一人でやり切るの、さすがにちょっとキツいんだけど」「ああ。もちろん一緒に出るつもりだぞ。お前一人に押し付けるワケねーだろ。着替えながら打ち合わせよう」 彼女が私服に着替えてる間打ち合わせた。着替え終わり元の場所に戻りながら、ひとつ問題があることに気が付く。「あ、でも使用許可取ってないから曲使えねえな」「え? 曲なしでなんて無理じゃん。むぅー、なんか打開策はぁ……。うーん、うーん、あ、思い付いた。僕達が遊びでやってたロミオとジュリエット風の寸劇ダンス、あれやろう。クオリティは自信ないけど、あれ僕ら、ふたりで作ったやつだもん。許可いらないよね」「ああ、あれならスマホにピアノで弾いた時の音源があるぞ」「でもうーん。きみ制服姿だし、僕はジーパンに白シャツでそこらのあんちゃんみたいだ。ロミオとジュリエットには見えない。どうしよう……んーー、お巡りさんとそこらのあんちゃんかあ……。そうだなあー……。ならさ、お巡りさんと補導された子っていう設定にしようか。どう? もう時間ないから、大筋は変えないで即興でアレンジしてくとか。[ああ、お巡りさん。あなたはどうしてお巡りさんなの?]って感じで。踊りとかのタイミングも変えないでいけそうな気しない? 昴、合わせてくれる?」「ああ。こうなりゃ、やるしかねえな」 音響を小笠原に頼むのに、ちょっと打ち合わせる。
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