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すぐ後を両親らしき人もやって来て、その子のお母さんは『なまえちゃん、良かったわ』と心底ホッとしたように言った。 その子のお父さんはうちのお父さんにお礼を言ってた。 お母さん同士も、僕らの脇で挨拶をし始めた。 大人達はそれぞれ話を始め、お兄さんが来て僕の隣に座る子の頭を撫でて言った。「もー、なまえちゃんは。勝手にどっか行ったらだめじゃないか。お兄ちゃん、すごく心配したんだぞ。あれ? なまえちゃんアイス、もらったの? えーっときみ……」「あ、僕は一柳昴と言います」「すばるくん、ありがとう。僕は真山善晴です」 話してみたら善晴くんの方が、僕より少し年上だった。よしくんの妹は、なまえちゃんというらしい。「歩き始めたらとっとこどこでも、行っちゃうんだよ。お父さんがさ、なまえちゃんは好奇心旺盛で困るなあって言ってた」「こうきしんおうせい?」「うん、気になる事があると見に行っちゃうんだって」「へえー。それじゃ、すぐどっかに行っちゃうね」「そうそう。気をつけてるんだけどさ、それでもよく迷子になる。僕、よく探してまわるよ。さっきもあーちゅ、あーちゅって言うからお母さんにお金もらって、買いに行ったんだよ。で、お金払ってる内に居なくなっちゃって、どうしようと思った」「そうなんだ。だからあの辺にいたんだね。アイス買おうとしてたら、にいにって服を掴まれた。よしくんを、探してたのかもね。僕とよしくんを間違えたみたいだもん」「同じようなベストだからかな? アイス、食べさせてくれてありがとう。でも、よく分かったね」「ああ、くるくる?」「そうそう、ああやって食べるのが好きなんだよ」「僕、初めて食べたよ」「結構、美味しいでしょ?」「うん」 なまえちゃんを真ん中にして腰掛け、僕達は大人達と同じように話をした。よしくんは話し易かった。すると、よしくんのお腹がぐーっとなった。そう言えば、僕もお腹が空いた。お父さんに言ったら、ご一緒しましょうという事になり、僕らはご飯を食べに行く事にした。何だか僕達家族は、気が合った。お父さんはお父さん同士、お母さんはお母さん同士でお喋りが弾み、よしくんと僕となまえちゃんはレストランのプレイゾーンで三人で遊んだ。「よしくんはいいなあ」「うん?」「妹がいて。僕一人っ子だからさ」「そうなんだ。近所だったら良かったね。そうしたら一緒にいっぱい遊べたよ。僕さ、本とかも好きなんだ。昴くんは?」「僕も好きだよ」 そんな話をしながら、また会えたら本の交換をしようと約束した。ギリギリまで一緒に遊び名残惜しい気がしつつ、その兄妹と別れた。 ● ○ ● ○「ああ、楽しかったわ。お友達になったのよ。初めてのママ友。ふふ」「菫もずいぶん気が合うみたいだったね」「ふふ。あなたも話が弾んでたわね。楽しそうな顔してたわ」「うん、何だか環境がね。似ていたんだよ。あちらも旧家らしくて。昴も楽しそうだったな」「そうねぇ。昴ちゃんも、楽しかった?」「うん。よしくんがさ──」 僕はよしくん達の話を、お父さんやお母さんに夢中で話した。それ位、すごく楽しかったんだ。
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