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「さっきおじさん達が言ってただろう? あいつがお前を目の敵にしていたってさ。田舎に居た頃から、虐待が少しづつ始まったんだよ。最初は僕やお父さんやばあちゃんに隠れて、お前はあいつに虐待されてた。お父さんが見つけてからは、おおっぴらになって叩かれたり蹴られたり大変だったんだよ。勿論、僕達は止めたよ。だけどお父さんだって仕事もあるし、ばあちゃんも歳だし、僕だってその分頑張ったよ。何度お前をおぶったり抱えたりして逃げた事か。でも……あいつさ、ちょっとした隙にやるんだよ。お前が吐いたりすると食べ物も大丈夫か心配になって。みんなでこっそり相談してお前を隠して預けたり、あいつを精神病院に入れたり色々やったんだ。でも、あいつってゾンビみたいにしぶとくてさ、どの作戦も安心出来なかった。お父さんが本家にも相談に行ってさ、協議離婚して接近禁止命令をもらおうって動いてた矢先だった。お前とばあちゃんが行方不明になって、ばあちゃんがやられた。お父さんが『証拠は何も無いけど、あいつの仕業に違いない』って。そしたらそこに、あいつが来てお父さんに言ったんだ『色々画策してるようねえ。好きにしてよ。さて次はあの娘ねえ。ふふふふ。たとえ貴方がどんな事をしても、私は諦めないから』あいつ、なんて言うかもう、本当に異常だったんだ。僕はゾッとした。今でも忘れられないよ。お父さんもきっとそうだ。それからお父さんは『このままだとなまえが殺されてしまう』って、すごく悩んでた。でさ『いっそなまえはこのまま駐在さんに預けてあいつを遠くに引き離して、僕らが見張れば良いんじゃないか?』って言い出したんだ。『お巡りさんと一緒ならなまえは安全だろう。あの娘と離れたくはないが。殺されるよりはマシだ』そんな事を言い出す位にお父さん、切羽詰まってた。でも、僕はお前を置いて行きたくなくて。……駐在さんに夜中に出てく事、こっそり言っちゃったんだ。お父さんは怒ったよ。『なまえがあいつに殺されたらどうする!』って。僕はなんとかしようとして、あいつを観察したんだ。よく見てると、あいつにはパターンがあった。僕達がお前にかまうとその後決まってお前がやられる。その事が分かって僕達はお前にかまわない事にしようって決めた。あいつにも、お前にも、ばれない様にこっそりご飯を置いたりこっそり遠くから見守ったり、僕はお前にそんな事しか出来なかった。僕が東京に連れて来たのにな。でも、僕もお父さんもお前が大好きだったんだ。僕だって……本当は秋月くんみたいにお前と遊びたかったよ。お母さんがいる頃みたいに、みんなで楽しく笑いたかった。でも……一番辛かったのはお前だよな。本当にごめん……」「だけどさ、よし。じゃあ何で鬼ばばあが死んだ後も、そのままだったんだ? 何で?」「お父さんが言ったんだよ。『私達は許されちゃいけない。私達のした事でなまえは辛い思いを沢山した。なまえには秘密にしよう。あの娘はお母さんに似て優しいから言ったら私達を許してくれるかも知れない。でもそんなのダメだ。私達は酷い家族のまま嫌われていよう』って。約束したんだ」
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