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阿久津さんや海司達も来てやっぱり『寝ろ寝ろ』とすすめる。そこへ何故か藤守アニがずいっと前に出て来た。自分の膝をポンポンと叩いたと思ったら彼女に言った。「なまえさん。もしなんでしたら、ここに──」 言い終わらない内に室長が頭を叩く。『痛』と言うアニの脇に藤守弟が来て『すんません。すんません』とペコペコと謝った。それをぽかーんとして眺めているなまえを、その機に乗じて引き寄せ横にして膝に頭を乗せた。結菜がタイミング良く、ブランケットを掛ける。『穂積、痛いではないか』などとほざいてるアニをひと睨み。怒ってるオレに気付き、たじろぐアニに釘を刺す。「んっとに。いつもいつも。おい、藤守アニ! お前は油断も隙も無いな。いっつも言ってるが、なまえに手を出そうとすんな。いいか? なまえはオレのだ! 許さねーぞ」「そうよ。アニ。昴の言う通り。うちの娘にちょっかい出すのは、やめてちょうだい。だいたいアンタ。分かってるのかしら? チビ助は童顔で幼く見えても人妻なのよ。人妻」 室長がアニに説教を始めた。なまえは素直に膝枕されながら、その様子をボーっと眺めている。(やっぱり、いつもよりボーっとしてるな。少し眠れれば良いんだけどな──) そう思ってた時、近くに居た海司が手を伸ばし彼女の頭をペシっと叩いた。「痛てっ!」「このばか! 無理しやがって」 ムッとしていつものように唇を尖らし『痛ってーなぁ! 叩くなよ。このばか力!』と返し、子供のケンカみたいに言い合いを始めた。阿久津さんが笑い出した。「あっははは。なまえちゃんも海司くんも。すっかり大人になったと思えば。やっぱり変わってないな。子供の頃とおんなじだ。ははは……」「ふふふ。そう言えば、なまえくんと海司くん、二人してよく公園でケンカしてたわねえ」「そうそう。裕子お姉ちゃんと私で止めても止まんなくって」「その内、取っ組み合いになるのよね」「うんうん。で、ワーワーやってるのが聞こえて、海司のお姉さん達が来るの」「それであっという間に止めちゃうのよね。あの三人。ふふ。懐かしいわねえ」 言われる二人が赤くなった。場がなんとなく和んだ。 ──と、彼女の兄貴が現れずんずんやって来て彼女の顔の前辺りに立った。それを見上げた彼女が身体を起こす。「なまえ?」「ん?」「具合、悪いの?」「いや、大丈夫」 短く交わされる会話をハラハラしながら見守る。(さっきの事もある。もうこれ以上傷付けたくねー)
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