ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そ……その話は、ど、どういう事ですか? 本当の事なんですか?」「えー? もしかして知らなかったのかい? だってあんた、善晴くんだって知ってるよ」「……えっ?」「そうだよ。みんな知ってる話だけど。なあ?」「みんな?」「多分一族中知ってるんじゃないのかなあ。何だい。一番の当事者のあんただけ知らなかったの? しづさんやお父さんから、何も聞いてないの? 善晴くんも言わなかった?」 彼女は呆然としながら、頷いた。親戚のやつらはそれを見て、バツが悪そうに『まいったなあ』と言い合った。「……あ! で、でもおかしいですよ? それだと。僕は小さい時からしょっちゅう『あんたなんか産まなけりゃあ、良かった』と言われましたよ?」「ああ、それは……」 親戚達は言っても良いかなあという風な表情で、顔を見合わせた。「な、何ですか? 教えて下さい。知っている事、みんな、全て教えて下さい! お願いします」 彼女はそう言って、頭を下げた。『長い話になるけど』と前置いて親戚は口を開いた。「きみの本当のお母さんはきみを産んだ後、体調を崩してね。寝付くようになったんだよ。で、お父さんはお母さんの負担にならないようにと赤ん坊の世話と看病をしてくれるひとを雇う事にした。何人かの人を屋敷に呼んで面接をしてね。その中にお母さんと、たまたま歳が近く顔立ちや声が似ている女性がいたんだ。お母さんは『親近感が湧く』と気に入ってね。その人を採用したんだ」 親戚達は当時を思い出しながらぽつぽつと話した。話をまとめると要はその採用した女性が、なまえが鬼ばばと呼んで嫌っていた後妻というワケらしい。最愛の妻に先立たれた父親は亡くなった妻に似ている点、子供達の面倒をみてくれる点から、その使用人を後妻にしたらしい。親戚達の印象では『なんとなく似ていたから、言ってみれば身代わりにしたんだろう。お母さんに対する時とは違い愛情があるようには見えなかった』と言う。後妻は真山家に馴染めず、同居して暫くしてから少しづつ様子がおかしくなっていった。妄想を口にするようになったり、異常な様子だったらしい。さすがに責任を感じた父親は『真山家にいるとどんどんひどくなる。ここを出て別に住まいを借りて暮らしたい』と当主に申し出たらしい。「結局それが良いだろうという運びになったんだが、あの調子では赤ん坊の世話が出来るのか不安だと、ご当主のお姉さん──つまり、君たちのおばあさんのしづさんもついて行ったんだ。でも、今から思うとお父さん達の判断が良かったのかどうかは疑問に思うよ。まあ、私達は親戚ではあるけれど、渦中にいる当事者ではないからね。所詮は外から見てるから言える事かも知れないがね」「あの、それはどういう……」
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。