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店を出て集合場所に行くと藤守が待っていた。室長達はもう先にやってるらしい。「なんや、お土産買うたんや。それ白玉入ってたらええんやけどなあ」「え? 藤守さん、今なんて? 白玉入ってないのぉ?」「あれ、気ぃ付かんかったん? 箱にも書いてあるで?」 袋から出し箱を慌てて見ると書いてあった。「ひゃー書いてあったー。えーー」 がっくりする彼女。「まあ、うちのはオレが旨いのを作ってやるよ。明智さんとこも心配ねーな。問題は凛子と結菜か。まあ、餅でも大丈夫だろうし、何とかするんじゃねえ? 気にすんな。さあ、さあ、行こう行こう」 ちょっとショックだったらしく、やけ気味で飲み食いを始めた。でも飲み始めるとすぐに室長と盛り上がり『楽しいね』と連呼してご機嫌になった。『酒好き、似た者親子』とか周りに言われながらも二人は楽しそうだった。いつもはほとんど酔わない室長が彼女にうまくのせられて、今夜はちょっと酔ってるみたいだ。「京都に帰らなあかんから、ちょっと早めに移動しましょ」 暫くして藤守が言うと、彼女と室長が揃って騒ぎ出す。「やだー。もっと飲むぅー」「そうだ。もっと飲んでもっと食う!」「あかん。酔うとる。愚弟どうする?」「ほんなら、京都に移動して違う店行きましょ。な?」 藤守が諭すようにゆっくりと彼女に言うと彼女がこくんと頷き『うん、分かったー』と言って立ち上がり、室長の腕を引っ張り『次だってぇ行こう!』と誘った。店を出て『ハシゴだ、ハシゴー』と盛り上がり騒ぐ二人。「あーお嬢が素直な子ぉで助かった」「まあな、チビはちゃんと言えば分かるしな。ボスを動かすにはチビから言うのが一番早い」「穂積は親ばかだからねぇ。おチビちゃんには甘いんだよね。ま、俺達も人の事言えないけどね」「みんなー。早く行こうよー。あ! ああー、*今井の夜鳴きうどん食べんの忘れたぁ!」「あー、今井のうどんか。ラストオーダーが終わる頃やなあ」「なまえさん、今井やったら通販出来ますよ」「え? ほんと? 藤守さんのお兄さん」「ほんまです」「昴、ねぇすぅくん!」 彼女がちょっと興奮気味に呼ぶ。食べたいに違いない。「じゃあ、家に帰ったら取り寄せしよう、な?」「きゃー! うんうん。嬉しいなー。楽しみー!」 喜びぴょんぴょん跳ねる彼女の横に行き、手を繋ぐ。「ふふ。嬉しいのは分かったから跳ねないの。お酒飲んでるし、危ないぞ」「はーい。さっすが、すぅくんだねぇ。言わなくてもよく分かってくれるぅ」「当たり前だろ。オレの可愛い奥さんだからな。なまえの事は、お見通しなの」「ねぇー京都にも美味しいの、まだまだあるぅ?」「うん、あるよ。まだ食べたらないか?」「もう少し食べたい」「……し、飲みたいんだろ?」「えへへへ。あたりー。すぅくん、いい夜だねぇ」「ああ。楽しいな」「うん」「お前達、二人の世界に入るんじゃない。お父さんも交ぜろ」「ん? あははは。ついね。じゃあ、お父さん」 彼女が反対の手を出し、三人で歩く。そうして、京都へ戻り二件目の店でまた乾杯をした。酒を飲み語らい、京都の夜は更けて行った。*実在のお店でうどんで有名らしいです。
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