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「ん?」「いや。愛する妻と良い仲間と楽しい旅が出来ていい休暇だと思ってな」「ふふ。うん、幸せだね」「ああ。さいこーだ」 海遊館の裏手から海沿いにのんびり手を繋ぎ散歩しながら中央突堤でひとやすみ。オレに凭れ座り猫みたいに寛いで、夕陽の頃になると素直に美しさに感動する彼女。旅行中のどの表情もキラキラして楽しそうで、一緒に居て本当に幸せを感じた。思えば新婚旅行の時も、こんな風に感じてた。(色褪せねーな。不安がってたけど心配なんていらねー。第一飽きるんならオレの事だ。とっくに飽きてそうなもんだろ。それがまだメロメロだもんな。変わんねーよ) 綺麗な夕陽の中、綺麗な彼女にキスをした。気持ちが高ぶって、気がついたら引き寄せ唇を重ねてたんだ。「これからも、ずーっと一緒にいような」「うん。すぅ、愛してるよ」 呟きとともに、彼女が優しいキスをくれた。 ● ○ ● ○ 夕陽を見た後みんなと合流し、道頓堀に来た時はもうすっかり夜になっていた。戎橋(えびすばし)でグリコの看板を見ると『グリコだー。写真、撮るぅ!』とはしゃぎ、室長と二人『腹減ったー! なんか旨いもんと酒ー!』と騒ぎながら、法善寺横丁(水かけ不動)へぶらぶら来る。「そこの井戸から汲まれた水をかけて祈願するんですよ」 アニが教えてくれる。毎日、何度も水をかけられているせいか、緑の苔がいっぱいみっちり覆っている。『うわーすごいなあ』驚きの声を上げつつ、水を掛け[みんなの無事]を祈願した。 お参りが終わると、彼女が口ずさんだ。「包丁一本 さらしに巻いて~旅へ出るのも 板場の修業~♪ の法善寺横丁でしょ? へぇーこういうとこなんだ。前は来なかったもんな」「なまえさん、よく知ってますねぇ」 アニがびっくりする。「ああ、すごく昔の歌だもんね。あのね、僕の幼なじみのお姉ちゃんで裕子ちゃんってひとがいるんだけど、そこん家のじいちゃんの想い出の歌なんだってさ。僕らが歌うと、じいちゃんが喜ぶんで裕子ちゃんとよく歌ったんだ。全部そらで、歌えるよ。待ってて こいさん哀しいだろが~♪」 鼻歌で歌いながらぶらっと移動し隣に気付く。「あ、夫婦善哉! ここも有名だよね? まだやってるぅ」「入りたい?」 気になるみたいなので聞いてみる。「う、ん。でも甘味だもん。お父さんぜんざいは無理でしょ。食べられないじゃん。あ、スマホでメニュー見てみよ。甘いのの、他にあるかも」 調べたが、甘いのしかなかった。彼女は『じゃ、しょうがない。他行こう』と明るく言った。だが、微妙なとこだがオレにはちょっとがっかりしたのが分かった。我慢させたくないので、提案してみた。「あの、ちょっとだけ自由時間って事で落ち合いませんか?」「じゃあ、そうするか。なんかチビ助が好きそうで旨そうなもんがあるかぶらぶら見て来てやる。後でな』 室長達と別行動をする事にした。「あ、おい[夫婦善哉]は、その名からご想像頂ける通り、カップルで食べると円満になれるという「縁起物」です。ちなみに、二人で分けて食べるものではありません。二椀で一人前なので、分けて食べると縁起が悪いって書いてある。この後もあるし、なまえ食べられるかな?」 そんな話をしながら店に入る。二椀でもそんなに量はなさそうだったので二人で一人前ずつ頼み仲良く食べた。土産用があったので、うちのと、それから凛子と海司と明智さんの夫婦もんにやろうと買った。
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