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「だからー、みんな。大丈夫だって。お兄さんはそんな事しないでしょ。ね? お兄さん。ふふ。次、行こー」「ああ、そうだ。藤守。大阪港沿いに公園があるのか? なまえが前にTVで見たんだ。名前とか分からねーんだが。そこ、行てーんだけど」「大阪港なら、海岸通りに公園も観覧車もあるなぁ。床も椅子も透明のシースルーゴンドラがあるらしいわ」「えーシースルー? 乗りたい!」「ふふ。なら、乗りに行こうか。藤守、公園も近くにあんのか?」「公園か。愚弟、ほんならダイヤモンドポイントがええんちゃうか? 大阪港で夕陽が一番美しい場所言うて景色が最高や聞くで。大阪港中央突堤の夕陽はそら、ええそうや。ウッドデッキでベンチもあるしな。ああそうや。知っとるか? 築港赤レンガ倉庫にはクラシックカーの博物館もオープンしたらしいで?」「そう言うたらなんや、ちらっと聞いたな。その話。クラシックカー、お嬢が好きそうやね」「うん、バイクが一番好きだけど、クラシックカーも見に行きたい!」「海遊館も良いですねぇ。あそこはアザラシがいるんですよ。ペンギンや、環太平洋の海を再現した大ーきい水槽があって綺麗だって聞きます」 と瑞貴の言葉に、彼女が想像する。「海を再現した水槽にアザラシとペンギン……」「大阪には有名なテーマパークもありましたよね」 今度は真壁が言った。「言うたら、他にもあんで? 梅田スカイビルの空中庭園展望台とか、なんばパークスにあべのハルカスやら天王寺には動物園もある。万博記念公園 、大阪城、なんばグランド花月、黒門市場に新世界道頓堀やろ。ぎょうさんあるよ?」「はあ、みんな楽しそう。大阪すご過ぎぃ──でもそんなに沢山は回れないよぉー。うーーん」 迷ってしまい『うーーん』と悩む彼女。「ふふ、なまえ。そん中でパッと思い浮かぶとこはどこだ?」「シースルーとアザラシと中央突堤と夜の新世界!」「よし、じゃあそこ行こう。みんなはどうします? 別行動なら集合場所決めましょう」 そう言ってみたが、一緒に行くと言うので移動する。先ずは天保山の大観覧車へ。「おおー、本当にスケスケだ。こんなの初めて。おもしろい。良く見えるぅ! すぅ、すっごいねぇー!」「ん、すげーな。なまえ、怖くねー? 大丈夫?」「うん、大丈夫。京都も良かったけど大阪も楽しいねぇ」 はしゃぎ、アザラシが可愛いと喜んだ。海遊館で自由行動になり、後で待ち合わせた。 正直、そろそろ二人になりたかったが、後ろで誰かの声がしてついて来る雰囲気だった。(ま、仕方ねーか) ちょっと諦めた時、室長の声がして後ろの連中を呼び止めた。「おい、お前達。ちょっと付き合えよ」「室長、小野瀬さん、行かないんですかー?」「ちょっとは気、使ってやれよ」「え?」「野暮ってもんだよ。君たちは、俺達と一緒に行こう」「はあ」「ばか。結婚一周年の旅行なんだ。綺麗な夕陽くらい二人っきりで見せてやれ。ほら、行くぞー」 そんな会話が聞こえ、足音が離れて行った。(ふ、お見通しか。ありがてえ。でもやっぱり、すげー男だな) ちょっと嬉しくなって彼女の肩をきゅっと抱いた。
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