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● ○ ● ○「おお、良く見える。通天閣だ。前来た時、ビリケンさん見なかったなー」「なんや、チビ。ビリケンさん知ってるん?」「んー昴とCSで[ビリケンさん]って映画見て知った。大阪来た時は通天閣昇ったけどさ、ざっと見て降りちゃったから知らなかったんだ。上から串カツの看板見えて、お腹空いて串カツ美味しそうと思ったら、そっちに気取られちゃって。もう速攻降りて、食べに行った。串カツ、安いし旨かったなあ。あ、あと、あれが面白かった。スマートボールってやつ。レトロな雰囲気が気になって入ったんだ」「なまえさんは大阪来た事あるんですねぇ」 アニが身を乗り出してくる。勢いに彼女がウケて笑いながら答えた。「ん、バイクで一人旅。と言っても、一度きりだけど。食べ歩いて、適当にぶらぶらとしたよ。今回も楽しいけど、その時も楽しかったですよ」「なまえ、一人旅よくするのか?」 今度は後藤が聞く。「んーー旅ってほとんどしなかったよ。学生の頃は金無いし、バイトもしないといけなかったしぃ。働いてからもあんまり暇がなかったもん。気持ちにも余裕がなかったから旅って感じじゃあなかったんだ。旅行の機会が増えたのは最近だよ。温泉とか、夏合宿とか、昴と牧場やパリも行けたし。ふふ。今回もね。昴やみんなのおかげで楽しくて幸せ。ありがと」 そう笑う彼女の手をアニが両側から包む。いきなりな事に彼女はぎょっとする。驚く彼女に気付かないのか、アニは興奮気味に言った。「なまえさん、これからもっともっとあっちこっち行きましょう!」「は、はあ……」 オレより先に室長がアニにビシッとデコピンを食らわす。『いでぇ』とアニが怯んだ隙に彼女を引き寄せる。「痛い! 穂積、何をする!」「アニ。うちの娘にやたらにべたべた触らないでちょうだい。昴は亭主だからいいとしても、他の奴らはダメよ。うちの娘はそんなにお安くないの。私の目の黒いうちはただじゃ置かないからね。広末も覚えて置きなさいよ? さっきみたくいきなり抱き付こうなんて。しかも水着だっていうのに言語道断よ。またやったら、縛り上げて吊るすからね。言っとくけど、他部署とかなんとか私には関係ないから」「わ、仕事モード。悪魔が降臨したー」「如月、何か文句ある? アンタも広末の真似して抱き付くの禁止よ?」「は、はい。了解でーす」「よろしい。チビ助、またこうして色々行きましょうよ。旨いもん食べてのんびりしたり色々遊んだりさ、これからいくらでもそういう旅に行きましょう。ね?」「お父さん……うん! またみんなで旅行しようね。ふふ」 彼女はこの旅行で、何度目かのとても嬉しそうな笑顔になった。「ところで、藤守。腹減ったわね。私も串カツ食べたいわ。あ、チビ助がさっき明石焼きにお好み焼き食べたがってたわね。両方行きましょ。藤守どっか旨い店案内しなさいよ」 室長が言い出すとみんなも『お腹減った』と騒ぎ出した。
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