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● ○ ● ○ そうして今、露天に彼女を膝に乗せ一緒に湯に浸かっている。気持ち良い。「はあーいい湯だな。綺麗な月が出てる。お龍さんも気持ち良いだろう? ふっ。なんて顔してんだよ。なあ、知ってる? 坂本龍馬は姉の乙女に宛てた手紙でお龍を[まことにおもしろき女]と紹介しその後の手紙でも[このお龍がいたからこそ、龍馬の命は助かりました]と書いてるんだってよ。龍馬は、男勝りのはちきんが好みだったって話だ。あ、はちきんてのは土佐弁でおてんばって意味だよ。同じおてんばのおもしろい女を女房にしたオレが推測するに、龍馬はお龍に惚れてたんじゃねーかと思うぞ。前に惚れてた女がいても、それはお龍に会う前、お龍を知る前の話だろう? 今惚れてる女がいるのに、前のを抱かねーんじゃねか? そんならお龍を抱くだろう。ま、オレには龍馬の気持ちは分からねーけどな。でも、もしもお前がお龍でオレが龍馬なら、他の女は抱かねー。そんな暇あるなら、お前を抱くよ」 俯いてる彼女の顎を持ち上げ唇を重ねる。「一柳昴も、妻のなまえしか抱かねーよ。オレが命懸けで惚れてるのは、お前ただ一人。溺れてるんだよ、お前に。そう言ったろ? 心の底から、愛してるよ」『すぅ』とオレの名を呟き、瞳を揺らす彼女にまた口づける。「まだ、イメージが消えねーか? なら、オレが塗り替えてやるよ」 口づけてオレの愛を伝えるように、彼女を愛した。 ● ○ ● ○ 彼女が『抱っこ』と甘えた声でねだるのに応え腕の中に抱きくるむ。彼女もきゅっとオレの背に手を回しぴったりと抱き付く。ふっとさっきの花魁姿を思い出した。「さっき、色っぽかったなー」「ん?」「花魁だよ。なあ、もう一遍あれ、言ってみてくんねー?」「良いけど、でも今はすっぴんで、綺麗な格好もしてないよ? いいの?」「んーじゃあ、待って」 鞄からタオルを出し、ホテルの浴衣と一緒に持って行く。素肌の上に浴衣を肩が出るように着せる。「はい。これかぶって、端を噛む」「はぁ。でもぉ、これ花魁というより、夜鷹みたいになっちゃうんじゃ……」「んー、確かになあ。でも他にないからな。仕方ねーよ」「僕はすぅが良ければ良いけど、でもすっぴんはすっぴんだから、どれだけ色っぽく出来るか……心配だけど」「あとは、なまえちゃんの演技力でカバーだな。でもきっと大丈夫だよ。オレのなまえちゃんはそのままでも十分魅力的だからな。さあ、オレを誘惑してクラクラさせてくれ」「ぬし様、ぬし様はいつも粋でありんすねぇ。わっちはぬし様を心底、愛していんすよ。命懸けで惚れて惚れ込んでんす。ずっとわっちと一緒にいておくんなんし」 思った通りだった。甘い声と色っぽく刹那気な熱いまなざしに魅了される。「はあー。色っぽい。さっきとセリフちょっと変わってたな」「うん、アレンジした。さっきのも僕が考えた言葉を言いかえたの。今のもそう。だからどっちも僕の本心だよ。──わっちはぬし様を心底、愛していんす。好きでありんすぇ」「なまえ……。お前って、やっぱイイ女。クラクラ来た。最高だ」 愛しくて、もう一度彼女を抱いた。幸せで満たされる。
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